セックスが痛い

「奥の方の痛み」「鈍い痛み」は病気のサインの可能性あり

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今までセックスで痛いことがなかったのに、いつからか時々痛み始めた。でも最近どんどん痛みが強くなった気がする――。ほとんどの人はセックスを頻繁に行うわけではないので、その時だけ「どうしてだろう」とモヤモヤして、時間が経つと忘れてしまうことを繰り返しがちです。

 でも、もしかしたらその痛みが病気のサインかもしれません。普段お腹の表面をさすっても届かないような婦人科系の臓器を、セックスの時は触れたり、振動させたりします。そのため、気づけない病気に気づけるチャンスにもなるのです。

 セックスの痛みで気づきやすい婦人科系疾患の代表格が、子宮内膜症や子宮筋腫です。

 子宮内膜症は、20~30代を中心に発生する病気です。子宮内膜は本来、月経ごとに増殖し、はがれて出血をしますが、子宮内膜に似た組織は子宮の外、たとえば、卵管や膀胱と子宮の間、直腸と子宮の間などにも月経のたびに増殖します。

 子宮外で増殖するので月経のように外へ排出されず、炎症や癒着などを引き起こし、痛みとなって表れるのです。

 一方、子宮筋腫は30~40代で発症が多い。子宮の筋層にできる腫瘍で、悪性化するのはまれですが、月経量が多く生活の質を下げたり、貧血の原因になるので、治療が必要なケースも。ただし、女性ホルモンのエストロゲンが関係しているため、閉経後は腫瘍も小さくなります。

 いずれにしろ、どちらの病気も症状の程度で治療方針が変わります。経過観察の場合は、その病気と付き合っていかなくてはなりません。

 このような疾患を抱えていると、潤い不足の性交痛と違って、奥の方が痛んだり、鈍い痛みを感じたりすることが多いようです。婦人科検診にしばらく行っていない場合は、速やかに専門医に診てもらうことをお勧めします。

 医師から診断後、セックスは継続しても問題ないと言われたら、できるだけ浅めの挿入やあおむけ以外の横向き、うつぶせなど楽だと感じる体位に変えてみると、今までのような痛みを避けられるかもしれません。ぜひ工夫してみてください。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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