セックスが痛い

子宮頚がん予防9価ワクチン国内初承認で知っておきたいこと

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 子宮頚がんは、予防手段があるがんのひとつ。先日、子宮頚がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防する「9価ワクチン」が日本で初めて正式承認されました。

「9価ワクチンって?」「子宮頚がんワクチンって、随分前から承認されているんじゃないの?」と思った人もいるかもしれませんね。HPVはごくありふれたウイルスで、海外のデータによると、セックスの経験がある5~8割の女性が一生に一度は感染するといわれています。

 HPVは100種類以上があり、このうち15種類が子宮頚がん高リスク型HPVです。今回承認された「9価ワクチン」は、9種類のHPVへの感染を防ぐもの。これまで日本には「2価」「4価」のワクチンしか承認されていませんでした。9価ワクチンが承認されたことで、子宮頚がんの90%以上を防ぐことが可能とみられています。

 全世界で子宮頚がんワクチンを導入する国が相次いでいる中で、日本の対応はかなり遅れています。その理由は接種後に運動障害などの報告があったためです。

 子宮頚がんワクチンの是非についてはここでは触れませんが(私や、私の周囲の婦人科疾患の専門家たちは、その役割に大いに期待しています)、日々セックスの痛みについて考えている私が注目するのは、病気と気づく前にセックスに痛みがあるか。

 前回のコラムでは子宮筋腫や子宮内膜症かもしれないサインとしてセックスでの奥のほうが痛むことを挙げました。子宮頚部は子宮と膣のつなぎ目です。発症の場所や範囲にもよりますが、位置的には奥に痛みが出ると考えられます。セックスで痛みを感じる場合は、早い段階で婦人科で診察を受けることをお勧めします。

 ワクチンで予防ができるならそれに越したことはない。そして次に重要なのが早期発見。痛みが早期発見につながる可能性があるなら、そのチャンスを逃して欲しくないと思います。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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