「死ぬまで元気」を目指す

40代から増え始める「尿漏れ」のほとんどは体操で改善可能

毎日続けることが大事
毎日続けることが大事

 東京都在住の60代の男性は最近、尿漏れに悩まされているという。「特に家では、ちょろっとレベルではないぐらいに漏れてしまう。何か病気の予兆ではないかという不安もある」と話す。

「尿漏れは、40代から増え始めるといわれています」と話すのは国際医療福祉大学熱海病院検査部・〆谷直人部長。

「日常の生活の中で、咳やくしゃみ、運動、排便、笑ったり重い荷物を持ったりしてお腹に力が入った時に無意識に尿漏れをしてしまう。これを腹圧性尿失禁といいます。治療としては主に薬物療法、手術療法、骨盤底筋体操の3つです」(〆谷部長=以下同)

 尿漏れを根治させる薬はない。完全に治したければ、病院で手術を受ける必要がある。症状が軽度ならば、骨盤底筋体操と生活習慣の見直しで改善されることも多い。

「腹圧性尿失禁は、骨盤底筋という筋肉の緩みや衰えが原因。この筋肉を鍛える骨盤底筋体操で尿漏れしにくくなります。すぐには効果を感じられないかもしれませんが、気長に続けましょう」

 骨盤底筋体操のやり方はこうだ。あおむけに寝て、足を肩幅くらいに開き、両ひざを軽く立てる。肛門と尿道のあたりをキュッと締めるように力を入れ、5秒間キープしたら、体の力を抜き、40~50秒間リラックス。この一連の動作を10回1セットとして、1日2セットを目安に。慣れてきたら徐々に締める秒数や1日の回数を増やしていく。

「ほとんどの尿漏れは、この体操を続ければ改善するといわれています。とにかく毎日続ける。また、腹圧性尿失禁の原因には肥満や便秘もあります。心当たりがある人は、骨盤底筋体操だけではなく、無理のない範囲で運動を取り入れるようにしてください」

 アルコールやコーヒーは利尿作用を高めるので、取り過ぎない。食事の質や食べる時間などを見直し、体重減少や便秘改善に取り組む。そうすると、骨盤底筋体操との相乗効果が期待できるそうだ。

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