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カリウム豊富なナスには体の熱を取る働き 酷暑のいま注目

皮ごと食べるのが良い
皮ごと食べるのが良い

「レタスが1個480円」

 近所のスーパーをのぞいて驚いた。梅雨明け前に発生した豪雨被害の影響でとにかくレタス、キャベツ、大根など、畑で栽培される野菜はおおむね高い。こんなときは、天候に左右されないハウス栽培の野菜、あるいは工場生産中心のモヤシ類やキノコ類などで野菜不足を補うのがいい。

 これからが旬のナスもハウス栽培が多く、比較的価格は安定している。ナスは特別に栄養価が高い食品ではないが、酷暑のいま、健康維持に欠かせない成分が含まれている。ナスの90%以上は水分と微量の糖分なのだが、栄養素としてカリウムが豊富だ。このカリウムには体の熱を取る働きがあり、さらに摂取し過ぎた塩分を排出する働きもある。

 ただしカリウムは加熱すると働きが弱くなるという特性がある。だから、サラダや漬物にして食すのがいい。とくにおすすめしたいのが「ぬか漬け」。日本食品標準成分表(文科省)によれば、生のナス100グラム当たり220ミリグラムのカリウムが含まれているのだが、ぬか漬けにすることで430ミリグラムとほぼ2倍に増える。しかし、ぬか漬けでは塩分摂取量も増えるから塩の加減には注意したい。

 また、ナスにはナスニンというポリフェノール、ビタミンAも含まれており、ナスニンには抗酸化作用、血中コレステロールの低下、ビタミンAには免疫機能の向上という働きがある。特にこれらの成分は皮に多く含まれているから、焼きナス、天ぷらなどで食する際も皮ごと食べるといい。

 目にいいとされるアントシアニンも含まれているが、こちらは水溶性だから、料理の前に水にさらすのは禁物。

 ナスは優れものの野菜。「昆虫のエサ」などと甘く見ないこと。

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