「死ぬまで元気」を目指す

発酵食品・入浴・笑いで60代になっても免疫力アップ

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 コロナ禍の中、少しでも免疫力をアップさせようと毎日ヨーグルトを食べている。60代の母にも勧めるのだが、「この年で、簡単に免疫力は上がらないわ」と食べてくれない。母の言葉は正しいのだろうか。

「生活習慣を改善する時期は若いほど良いのですが、年を取ってからでも遅すぎることはない。免疫力アップも、毎日の生活での努力の積み重ねが大切です。免疫機能が正しく働いていれば、健康で若々しくいられますよ」と話すのは国際医療福祉大学熱海病院検査部・〆谷直人部長(以下同)。この言葉を聞いて、母に「免疫力アップに年齢は関係ないよ」と再びヨーグルトを勧める決意が固まった。

 免疫機能は、病原菌などから体を守り、健康を維持するための防御システム。その仕組みは実に精巧にできており、いくつもの免疫細胞が協調しあって体内で働いているという。

「免疫細胞の約6割は腸にいるといわれており、腸内の免疫細胞を活性化できる食物を取っているかどうかが、免疫力を大きく左右します。免疫細胞を活性化させるには、腸内の善玉菌を増やすことが重要。そのためには善玉菌のえさになる食物を意識して摂取してください」

 免疫力アップには、ヨーグルトなどの乳製品をはじめ、味噌、醤油、酢、納豆、ぬか漬け、たくあんなどの発酵食品がいい。毎日ヨーグルトを摂取する記者の習慣はやはり正しかったようだ。

 一方、免疫力アップと体温の関係も見逃せない。免疫力が正常に保たれる体温は36・5度程度といわれており、体温が1度下がると免疫力が30%低下。一方、体温が1度上がると免疫力は一時的に最大5~6倍アップするそうだ。体温を上げるために、毎日ゆっくりと湯舟に浸かって体を温めることを習慣にしたい。

 また、ストレスが過剰になったり生活習慣が乱れたりすると、免疫力が正常に機能しなくなってしまう。ストレスは免疫力の天敵、というわけだ。

「免疫が正常に機能するための鍵となるのは、自律神経がバランスよく働いているかどうかです。そのためには、まずは1日に10分程度の体操でもよいですから、日々の生活に運動習慣を取り入れましょう。そしてぐっすりと眠ることも大事。睡眠中は、免疫細胞の働きがとても活発になり、免疫力がアップしますから」

 免疫細胞は笑いで活性化されることも分かっている。コロナ禍で人に会わなくなり、思いっきり笑う機会が減った人も多いのではないだろうか。だが、それでは免疫細胞の活性化が阻まれてしまう。陽気な映画を観たり、お笑い番組を鑑賞して笑おうではないか。

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