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秋の味覚の代表格 新サンマはしばし我慢して安くいただく

マイワシは豊漁
マイワシは豊漁(C)日刊ゲンダイ

 秋の味覚の代表格である新サンマの値段が高い。8月24日に北海道・厚岸漁港の市場で行われた初セリでは、1キロ当たりの最高値がナント1万1000円。歴史的不漁だった昨年と比べても5倍近い高値だとか。スーパーをのぞいてみると1匹200円前後のサンマはあるが、よく見ると「解凍」と小さな文字が見える。こちらは多く取れたときに冷凍したもので、旬のサンマとは別物。飲食店で焼いた新サンマをオーダーすれば、1匹1000円前後。まさに「タカネの花」だ。

 一方、同じ青魚でも近年漁獲量激減のマイワシは豊漁。これは海水温が原因らしい。ある漁業関係者によれば、マイワシは海水温が下がれば徐々に南下し、後を追うようにサンマも南下するのだが、海水温が下がらない今年はサンマの南下が遅れているとか。

 ならばサンマが安くなるまで、安いマイワシを食してみてはどうだろうか。栄養面からみてもマイワシはサンマ以上。日本食品標準成分表(文科省)によれば、焼いて食する場合、100グラム当たりのタンパク質は、マイワシ25・3グラムに対してサンマ23・9グラム、カルシウムはマイワシ98ミリグラムに対して、サンマ37ミリグラムなど、ミネラル類ほかほとんどの栄養素においてマイワシがサンマをしのぐ。

 もちろん、旬の味覚だから栄養面だけで割り切るわけにはいかないが、今年のマイワシは丸々と太っていて味、食べごたえともに十分とか。

 前出の漁業関係者は「サンマは取れないけれど、太って脂ののったマイワシがいまだに水揚げされている」と言う。

 サンマが南下するまでしばしの我慢だ。おいしいマイワシで夏バテ対策の栄養補給を図ってみてはいかが。

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