ウイルス感染症の予防や感染拡大防止には、ワクチンや物理的対策で新規感染者を減らすことが重要です。昨今の新型コロナウイルスは無症状の感染者も多いことから、知らず知らずのうちに感染を拡大させたり、高齢者など重症化リスクの高い方にうつしてしまう可能性もあります。そのため、効果的なワクチンの開発が待ち望まれています。
ワクチンというと、「怖いもの」という印象を抱いていたり、「必要ない」と思われている方も少なくありません。ここで、ワクチンについておさらいをしておきましょう。
ワクチンには種類があり、「生ワクチン」と「不活化ワクチン」及び「トキソイド」に大別できます。どれも接種することで、その病原体に対して体の免疫力(抵抗力)を高めます。
生ワクチンは「病原体は生きているが病原性を弱めたもの」です。不活化ワクチンは「病原性を無くした病原体の一部」を使います。生ワクチンに比べて免疫力がつきにくいため、複数回に分けて接種することが多いです。また、短期間の効果を目的に使用するタイプもあります。インフルエンザワクチンはこの不活化ワクチンのひとつです。
トキソイドは、細菌の作る毒素(トキシン)を使ったもので、不活化ワクチンに分類されることもあります。これ以外にウイルスの遺伝情報をもとにしたワクチンの開発法も出てきています。
ワクチン開発には、「効果判定が難しい」「免疫効果を得られにくいものがある」「効果が100%ではない」といった効果に関わる課題があります。また、「開発をしている間に流行が収まって開発が進まなくなる」パターンや、無事に開発されても「副反応を恐れて使われない」ケースもあります。
とはいえ、ワクチンは一定の効果が示されたうえで発売されるわけですから、重症化や感染拡大防止のためにワクチン接種はするべきと考えていいでしょう。
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