「死ぬまで元気」を目指す

60代は20代のバランス力の半分以下! すぐできるバランス体操

一直線になるように
一直線になるように(C)日刊ゲンダイ

 記者はキッチンでお湯を沸かしているときなどに、ただじっと立って待つのが苦手である。とはいえ、別の部屋に移動してしまうと、お湯を沸かしたことをすっかり忘れてしまうこともあり危険だ。ということで、お湯を沸かしている最中には、かかとを上げ下げしたり、腰をくるくると回す簡単体操を行うことにしている。

「ちょっとの間でも運動する習慣をつけるのはとてもいいことだと思いますよ」と、アスレチックトレーナーの三田貴文さん。都内の整形外科で多くの患者にリハビリ指導も行っている。ほかにキッチンでのちょっとした待ち時間にできる簡単な体操はないかを聞いてみた。

「バランスを上手にとる練習をしてみてはどうでしょうか。年齢を重ねると、バランス感覚はどうしても劣ってきます。だから、転びやすくなるんですね。たとえば60代だと、20代の頃のバランス力の半分以下になってしまいます」

 確かに厚生労働省の調査では、寝たきり(要介護5)になる原因の1位は脳卒中、2位が認知症、転倒による骨折が3位で続いている。年をとると、転ぶのは本当に命とりになってしまう。筋力も大事だが、バランス力もとても重要なのである。

 そこで三田さんにバランス力アップの簡単体操を2種類教えてもらった。まずひとつめは、姿勢を真っ直ぐにして立ち、右足のかかとの後ろに、左足をつける(写真A)。つまり両足が一直線になっている状態だ。このとき両手は腰に置くとバランスがとりやすい。ポイントは両足に均等に体重をかけること。30秒経ったら、足を入れ替えてまたトライ。慣れてきたら目をつぶっておこなってみるのもいい。

ウィンドミル(風車)
ウィンドミル(風車)(C)日刊ゲンダイ

 ふたつめはウィンドミル(風車)と呼ばれる体操。家にあるペットボトルを準備してから始めたい(重さは自分の持てる範囲でOK)。脚を肩幅に開き、右手にペットボトルを持ち、真上に上げる(写真B)。同時に左手を肩からグーッと下に下げていく。目線はペットボトルを見ること(写真C)。左手が下がりきったら、両手を元の位置に戻してから、またペットボトルを上げる、片方の手を下げる。この繰り返しで、10回。終わったら、ペットボトルを反対の手に持ち換えて、同じ動作を繰り返す。

 これらの体操はキッチンでのちょっとした隙間時間だけに限らず、リモートワーク中の休憩時間に行うのもオススメである。なおキッチンで行う場合は、くれぐれも火にかけた鍋ややかんに手や体が当たらないように注意したい。

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