時間栄養学と旬の食材

毎食リンゴを食べて体重減 食物繊維とるなら夜がオススメ

1日半個で医者いらず
1日半個で医者いらず(C)PIXTA

 リンゴがおいしい季節となり、ふじ、秋映、シナノゴールドなど、さまざまな種類が顔を見せています。リンゴ1個のエネルギーは大きさにもよりますが140キロカロリー程度と大変低カロリー。ですが、含まれる栄養素はとても豊富です!

 皮にたくさん含まれる「ポリフェノール」は強い抗酸化作用を持つので体内の活性酸素を軽減してくれる働きがあります。また、コレステロールの値にも影響することがわかっていて、悪玉コレステロールの値を低下させ、善玉コレステロールの値を増やしてくれるのです。他にも、アレルギー予防の効果なども報告されています。

「ペクチン」は水に溶けやすい性質を持つ食物繊維で、腸内の善玉菌を増やしてくれる働きがあり、便秘に効果的。同じ食物繊維でも「セルロース」は水に溶けにくく、保水性が高いです。便の量を増やして、腸を活動的にしてくれる働きがあります。

 また、リンゴに含まれる「ビタミンC」は肌荒れの改善なども報告されています。そして、リンゴのビタミンCは加熱しても壊れにくい酸化型の性質を持ちます。

 ペクチンの効果は加熱調理した方が上がるため焼きリンゴやジャムなどがオススメですが、他の加熱に弱い栄養素も含まれるので、ペクチンの効果を取り入れたい場合のみ加熱を選択してみましょう。むくみに効果的な「カリウム」も含まれていますよ。

 時間栄養学的にも、ミネラルや食物繊維を取るなら夜、ビタミンCを取るなら朝が◎。ダイエット効果もあり、1日3回リンゴを食べたBMI25以上の女性の体重が減少した研究もあります。

 では、どの程度リンゴを食べるのがいいのでしょうか。「1日1個のリンゴで医者いらず」というイギリスのウェールズ地方に伝わることわざは本当かどうかを調べた面白い研究があります。それによると、脂質異常症の薬には代われなかったものの、「日本で手に入るものなら2分の1個程度でことわざに近い効果を得ることができる」と報告しています。なので、「1日半個のリンゴで医者いらず」ですね。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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