心臓や脳に負担大 冬のトイレで“遭難”しないための5カ条

トイレの窓は冷気が伝わりやすい(写真はイメージ)/(C)PIXTA

 冬のトイレは危険がいっぱいだ。突然気を失い倒れてしまうことがあるからだ。いきんで排便しているときに心臓や脳の血管が詰まったり、破れたりすることもある。おしっこをしている途中に気を失うこともある。トイレの個室で気を失い、誰にも気づかれずに朝冷たくなって発見されないとも限らないのだ。トイレで“遭難”しないためにはどうすればいいのか? 弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。

■水分と野菜で便秘を解消

「冬のトイレで一番気をつけなければならないのは便秘です。冬は空気が乾燥し、暖房もつけっぱなしになるので体内が脱水症状になりやすい。すると、大腸内の水分が減って便が硬くなり、便秘になりやすいのです。排便時は軽くいきんだだけでも最大血圧が60~70㎜Hg上昇するとの報告もあり、便秘は想像以上に脳や心臓の血管に負担をかけるのです」

 便秘の人はそうでない人に比べて心血管リスクが高いといわれており、心筋梗塞や脳卒中を発症しやすいことがわかっている。実際、突然死全体のうち5%は、高齢者のトイレでの脳卒中や心筋梗塞が占めるといわれ、心疾患による突然死の約8%がトイレでの排便中に起きている。

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