セックスが痛い

義務セックス…夫の「たくさんしたい」が妻のプレッシャーに

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 カウンセリングを受けたら、“義務感”がセックスの痛みに関係していたことが分かった……。こんな事例を、私が運営している性交痛に関するサイト(FuanFree/ふあんふりー)で先日、紹介しました。

「えっ、セックスを義務って感じるだけで痛くなるの?」と驚きますよね。でも、「夫から週に数回はセックスをしたいと言われ、それが心の負担となってセックスに痛みを感じるようになった」といった話は、よく耳にします。

 うまくいっていない夫婦ならまだしも、そうではないのに、なぜ夫婦間のセックスを“義務”と捉えてしまうのでしょうか? ちょっとネットで検索してみました。すると質問箱のようなサイトで「セックスは義務なのか」という質問に対し、義務か、義務じゃないかの議論が繰り広げられていました。きっと、似たことで悩む人が多くいるのでしょう。

「セックスをしたい」と言う側は、その希望を無理やり押し通したいわけではないと思います。きっとシンプルに「性生活がこのくらいあったらいいのにな」という意味なだけです。

 しかし、それを一方的に伝えるだけだと、相手の義務感スイッチがONになるのではないかと思うのです。好きな相手にはできる限りのことをしてあげたいと、自分にプレッシャーをかけてしまうのかもしれません。

 ですから、「僕はこうだけど、君はどうしたい?」と、まずは問いかけてみてください。性的なことはすぐに口から出てこないかもしれません。少し待ってみてください。意外と深い理由があるのかもしれません。

 セックスはお互いが言いたいことを言い合える関係性で成り立つもの。理解し、譲歩したり、受け入れたりする関係性。痛くなるほどセックスに拒否反応が出る前に「会話」をしてみるのはどうでしょうか。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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