セックスが痛い

セックスって何だ?自分とパートナーの定義を見つけよう

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「セックスの定義を説明せよ」

 先日参加したオンラインイベントで、登壇者が参加者に投げた質問です。「性の健康イニシアティブ」という団体が主催する、性に関する活動や性教育をしている方を対象とするイベント。冒頭から衝撃的な質問でしたが、一般の皆さんにとっても身近な問題で参考になりそうだったので内容を紹介します。

 セックスの定義、皆さんだったら、どう答えますか? 私は瞬時に、「そんな質問、簡単だよ」と思いました。しかし、いざ答えようとするとどう説明していいか分からず、私も含めて参加者全員が考え込んでしまいました。 

「Wikipediaは除外」という条件で、5分間、本やネットの検索時間がありました。検索しても雑誌のコラムがズラズラと出てきて、コレというものはなし。「陰茎を膣に挿入」ともあるが、同性愛者のセックス、マスターベーション、挿入を伴わないセックスが含まれず、マッチしない。身近なことでも、さあ定義を説明せよと投げかけられると難しいものです。

 この団体は、セックスの定義は時代とともに変化するし、個人により違いがあると言います。コロナ時代、直接会い、触れ合うことが難しくなり、ソロセックスが安全だと推奨し始められ、かつては誰かとするものが、今はひとりでも……という一般解釈が広まりつつあります。人によってセックスの定義は違うし、違っていいそうです。

 では、「違う」とは何か? それは、「自分は(セックスで)何を大事にしたいか」。たとえば、私の知人男性は、妻と触れ合いたいと言います。触れ合いがその人にとって大事なこと。何が大事かは個々に違うことだから、お互いの考え方を尊重して行うことなのかなと思いました。

 イベントでは「何がセックスではないか」についても少し触れ、どちらかに快楽や楽しさが存在せず、「嫌だな、早く終わってくれ」と感じることは、セックスと呼べるのかと問いかけていました。皆さんも、自分やパートナーのセックスにおける定義をぜひ見つけてみて下さい。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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