今年は九州北部で観測史上2番目に早く梅雨入りするなど、ムシムシした日が続いています。また、すでに猛暑日となる地域もあり、暑さも厳しくなってきました。
蒸し暑さが続くようになると「脱水」や「熱中症」という言葉を耳にする機会が増えてきます。例年、これらによって死者も出ていますので、「水分が不足しているだけ」と侮ることなく注意と対策が必要です。
われわれの体の半分以上は水分でできています。ただ、体に占める水分量は年齢によって変わり、小児は生まれた時は体重の約80%が水分ですが、年齢を重ねると水分量は減っていきます。成人になると60%ほどになり、高齢者と言われる年齢になると水分量は50%くらいになってしまいます。この体に含まれる水分のことを「体液」と呼び、体液が減少した状態が「脱水」です。
体液には、水分に電解質(ナトリウムやカリウムなどの塩分)が含まれています。日常生活で汗をかくなどした際の脱水は、水分が多く失われる「高張性脱水」と呼ばれるもので、こまめに水分を補給することで予防できます。
一方、運動するなどして大量の汗をかいたり、下痢や嘔吐といった特殊な状況で起こる脱水は「低張性脱水」と呼ばれ、水分と同時に電解質も失われます。そのため、OS―1などの「経口補水液」を摂取し、水分だけでなく電解質を補う必要があります。経口補水液は一般的なスポーツドリンクよりも電解質の濃度が高く、水分と電解質の吸収を早めるために糖分の濃度が低くなっています。適切な量の電解質を含んだ経口補水液は、ドラッグストアなどで処方箋なしで購入することができます。脱水症状を招いてしまった時に備えて備蓄しておくのもいいでしょう。
暑さが厳しくなるこれからの季節、脱水に対する正しい知識と適切な対処方法を身につけて、脱水から体を守りましょう。
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