ユウガオは冬瓜(とうがん)やひょうたんと同じウリ科の植物です。冬瓜のように丸いタイプ(丸ユウガオ)と、ひょうたんのように長いタイプ(長ユウガオ)があり、インドから伝わってきたひょうたんを、苦味の少ない食用のものに改良したのがユウガオとされています。
丸ユウガオも長ユウガオも、白い花で大きな実をつけるのが特徴です。実は軟らかく、味はほとんど同じと考えていいのですが、長ユウガオは実をくりぬいて干し、容器として使用されることが多いです。そして丸ユウガオを、ひも状にむいて乾燥させたものがなんと「干瓢(かんぴょう)」なのです。
そんなユウガオですが食される地域が限られているためか、食品成分表では「かんぴょう」としてのみ記載されています。一番多く含まれているのは、便秘や生活習慣病の予防に役立つ「食物繊維」です。生のゴボウ100グラム当たりに含まれる食物繊維は5.7グラムで、茹でかんぴょうは100グラム当たり5.3グラムの食物繊維を含んでいることを考えると、ゴボウに匹敵する食物繊維量ということがわかります。日本人の食事摂取基準では18~64歳の男性で21グラム、女性で18グラム以上が1日当たりの目標として取りたいとされているので、効率よく食物繊維を摂取できる食材のひとつといえるでしょう。
骨や歯を丈夫にするほか、筋収縮や血液凝固などにも関与している「カルシウム」も豊富です。茹でると100グラム当たりおよそ34グラム含まれ、納豆1パック弱程度の量を含みます。さらに、カルシウムを効率よく吸収してくれる役割を持つ「マグネシウム」も入っているので、両方を含むかんぴょうは効率のよいカルシウム摂取が期待できると言えるでしょう。
塩分の排泄(はいせつ)を促す「カリウム」も多く含まれています。乾燥かんぴょうは100グラム当たりカリウムを1800ミリグラムも含んでいますが、茹でると水に溶け出してしまい、100グラム当たり100ミリグラムになってしまいます。精進料理ではかんぴょうでダシをとることもありますが、水に溶け出してしまうカリウムを取るためには理にかなっています。無漂白のかんぴょうであれば、ぜひ戻し汁も一緒に取るといいでしょう。
寝ている時は食物繊維やカルシウムの吸収、ナトリウムの排泄がアップする時間帯です。夕飯にかんぴょうを摂取するのもおすすめですよ。
時間栄養学と旬の食材