時間栄養学と旬の食材

ドラゴンフルーツはバナナの65倍の不溶性食物繊維で便通を促す

カリウムの量は果物の中ではトップクラス

 ドラゴンフルーツはサボテンの仲間。外皮が龍の鱗のような見た目をしていることからその名前がつけられたと言われます。英語では「ピタヤ」と呼ばれますが、現在ではドラゴンフルーツという名前の方がメジャーかもしれません。英名では「Pitaya」のほか、真夜中に花を咲かせることから「NIGHT BLOOMING CEREUS(夜に咲くサボテン)」という呼び名も。「夜の女王」と呼ばれることもあるそうです。

 東南アジアや中南米などで栽培されてきましたが、近年ではオーストラリア、スペイン、日本などでも栽培されています。ピュレ状(シャーベット状)にして、果物、シリアル、グラノーラなどに蜂蜜をかけた「ピタヤボウル」も話題になりました。また、農薬をあまり使用せずに栽培できることでも有名で、より健康的な食事を求めている方からも注目を浴びています。

 そんなドラゴンフルーツのエネルギーは100g当たり50kcal。8割近くが水分なので、非常に低エネルギーで夏場の熱中症予防にも役立ちそうです。そして、水に溶けにくい不溶性食物繊維も100g当たり1.6g含まれています。これはバナナのなんと約65倍もの量。不溶性食物繊維には、便のカサを増やして排便促進したり、腸内細菌(善玉菌)のエサとなって腸内環境を整える作用が期待できます。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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