コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

深い睡眠の質を高める「ディープスリープヘッドバンド」

ディープスリープヘッドバンド
ディープスリープヘッドバンド(フィリップス・ジャパン提供)

 OECD(経済協力開発機構)の2018年の調査で、先進7カ国で睡眠時間が最も短い国が「日本」(7時間22分)だったと報告された。そこで、大手ヘルステック企業「フィリップス・ジャパン」(東京都港区)は、19年11月から睡眠をサポートするブランド「SmartSleep(スマートスリープ)」の製品を発売している。

 第1弾は、深い睡眠の質を高めることを目的に医師や研究者と共に開発された「ディープスリープヘッドバンド」。現在は改良を加えた最新モデル(税込み価格は5万1700円)が販売されている。どんな製品なのか。同社・スリープ&レスピラトリケア部の久保和也氏が言う。

「ディープスリープヘッドバンドは、就寝時に頭に着けて使用します。最新モデルはヘッドバンド内に、脳波を測定するセンサー(3カ所)と骨伝導スピーカーが内蔵されています。入眠前には自然音のヒーリング音が流れ、眠りを感知すると自動的に停止します。そしてノンレム睡眠時の最も深い眠りの段階に入るたびに、500~2000ヘルツの断続的なビープ音が流れ、深い睡眠時に出現する『徐波(スローウエーブ)』の活性化をサポートすることで、深い睡眠の質を高めるのです」

 また、起床時も設定した時間の30分前から浅い睡眠に合わせて、徐々に音が大きくなるヒーリング音が流れ、自然に近い目覚めを促してくれる。そして専用アプリと連携することで、毎日の睡眠状態を確認でき、睡眠状態に合わせたアドバイスを出してくれるという。 ちなみに徐波の振幅は年齢と共に自然と減少する。振幅の低い徐波の場合には、効果が期待できない。そのため推奨する対象者は18歳以上、50歳以下になっている。

 いびきを抑制する製品もある。今年2月に発売された「スノアサイレンサー」(税込み価格2万6620円)だ。いびきの多くはあおむけに寝ることで、舌などが気道に落ち込むことで発生する。

「この製品は就寝時に厚さ13ミリ、重さ29グラムのセンサー(本体)をストラップで胴体(みぞおち辺り)に装着し使用します。寝ている間の姿勢をセンサーで計測し、あおむけに寝ている際に本体を振動させて自然な寝返りを促し横向き姿勢にさせることでいびきを抑制します」

 導入モードでは毎回振動は配信されず、8日間かけて徐々に振動回数を増やしていく。また、慣れを防ぐため5日ごとに振動パターンが変化する。本体ディスプレーには、「振動に対する反応率」「装着時間」「あおむけ寝の時間」のデータが表示されるという。

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