正しい「昼寝」を極めれば睡眠負債はしっかり返済できる

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 世界でいちばん睡眠時間が短い日本では、少しずつ睡眠不足が蓄積する「睡眠負債」を抱えている人が少なくない。そんな眠りの借金を返済するには、「昼寝」がベストだという。東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身氏に詳しく聞いた。

 徐々に積み重なっていく睡眠負債を抱えたまま放置していると、日中のパフォーマンスが低下するだけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病をはじめ、心臓疾患やがんといった命に関わる病気の発症リスクがアップしてしまう。毎日十分な睡眠時間を確保したり、睡眠の質を高めることができれば負債は減らせるが、実践するのはなかなか難しいという人がほとんどだろう。そこで有効なのが「昼寝」だという。

「日頃の睡眠不足を解消するため、休日に寝だめをしているという人は多いのですが、寝だめでは睡眠負債を返済できません。むしろ休日に長時間寝てしまうと睡眠リズムが崩れ、翌週の睡眠に悪影響を与えてしまいます。日々の睡眠時間をなかなか増やせない場合、睡眠負債を返済するには、昼寝がおすすめです。近年、昼寝をすると午後からのパフォーマンスが上がることが科学的に実証されています。アメリカでは昼寝を推奨する企業が増えていて、中国でも小中学校では昼食後に昼寝をする習慣があります」

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