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米CDCがマスクのガイドライン変更「オミクロンに布マスクは効果なし」

不織布の上に布マスクを重ねても効果が上がる
不織布の上に布マスクを重ねても効果が上がる(C)PIXTA

 ニューヨークで年明けから目立ち始めたのが高機能マスクです。先がクチバシのようなKN95が最も多く、医療者だけが着けていた頭かけタイプのN95マスクも見かけるようになりました。アメリカの病院ではN95がスタンダードで、KN95は中国の病院で使われており、効果はほぼ同じとされています。

 高機能マスクをする人が増えたのは、オミクロン株の急激な広がりでCDC(米疾病対策センター)がマスクのガイドラインを変更し、「布マスクにはほとんど効果はない。最低でも3層の不織布、さらにベターなのが高機能マスクで」と大転換したためです。

 ただ困ったことに、今出回っているKN95マスクの6割は偽物だというのです。

 CDCのサイトで見分け方を写真付きで細かく解説していますが、複雑過ぎてパッと見よくわかりません。そこで多くのメディアが解読。ニューヨーク・タイムズには「本物にはマスクの側面に承認番号が書かれている」とあり、確かに私のマスクには番号が書いてあってホッとしました。

 ではこれらのマスク、どのくらい効果が違うかというと、お互いが布マスクの場合は27分で感染、不織布マスクだと1時間。95%の微粒子をシャットアウトするN95(KN95)だと25時間。レベルが違います。

 でもKN95は使い捨てなのに1つ200~250円と高価で、それで偽物だったらたまりません。私は普段不織布の上に布マスクを重ねていますが、横に隙間ができなければかなり効果が上がるそうです。

 バイデン大統領はこのN95を4億個、国内で生産、無料配布すると発表しました。思い返せばパンデミックが始まった当初、トランプ政権は「マスクで感染は防げない。医療者の分がなくなるからしないように」と呼びかけていました。最初からきちんとマスクをしていれば86万人もの人が死ぬことはなかっただろうと思うと悔しい気持ちでいっぱいになります。

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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