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パンデミックを終わらせる唯一の方法は「ワクチン平等」 米国でフレーズが聞かれるように

インド・ムンバイでワクチン接種を受ける人たち(C)ロイター

 ニューヨークではオミクロン株の感染がピークを越えましたが、果たして次の波は来るのか? この疑問とともに「平等なワクチン接種」というフレーズが聞かれるようになっています。先進国でどんなにワクチン接種が進んでも、接種率が低い開発途上国や地域が残ればそこから新たな変異種が発生してくるからです。それを防ぐために今、関心の的になっているのは、テキサスの研究者が開発した「安くて特許の縛りがない」ワクチンです。

「コーババックス」と名付けられたワクチンは、ファイザーやモデルナの最新鋭mRNA型とは違い、40年前に開発されたイースト菌を使ったB型肝炎ワクチンの製造技術を応用しています。テキサス小児病院の2人の研究者ピーター・ホーテス博士とマリア・エリーナ・ボタージ博士はSARSとMERS流行の時にワクチン開発を始め、資金が尽きて中止していたのを新型コロナ流行と同時に再開。その費用のほとんどは政府ではなく寄付で賄ったといいます。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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