アメリカで今人気急上昇のスポーツが「ピックルボール」。大ブレークの理由は、やはりコロナ禍でした。
ピックルボールはテニスとバドミントンと卓球を足して3つに割ったような競技で、ラケット(パドル)やボールは、卓球のそれを大きくしたようなサイズ。ボールは中が空洞で、いくつもの穴が開いたプラスチック製です。
そもそも1960年代に発明された競技ですが、テニスほどの広さも必要なく、初心者でもそれほど練習しなくても楽しめるというので、高齢者を中心にじわじわと人気を得てきました。それがパンデミックの2年間で競技人口が突如4割増という大躍進を遂げたのです。
競技人口が最も多いのはユタ州やフロリダ州などの郊外ですが、大都市ニューヨークでもセントラルパークなどに公営コートがあります。
昨年からすっかりピックルボールにハマっているという40代の男性は、「初心者でもかなり楽しめる。家族みんなでできるのもいいね」と魅力を語ります。
特にパンデミックで出かけるチャンスもなかなかない中、ソーシャルディスタンスを保ちながら、比較的安価で気軽に楽しめるのが注目されたのでは、と男性。
もう一つの魅力はコミュニティーです。ニューヨークのピックルボールの公営コートは今や大混雑ですが、お互いコートを融通しあってプレーしたり、初めての人が道具を持っていない時は自分のものを貸してくれたりと、フレンドリーな雰囲気がたまらないんだそう。孤独になりがちなコロナ禍に、温かい雰囲気を醸し出すピックルボール・コミュニティーが多くの人を引きつけたのは当然かもしれません。
実はアメリカのピックルボールの競技人口は400万人。すでにテニス人口の5分の1を超え、全米のトーナメント大会もあります。世界的には日本を含め37カ国が参加する国際ピックルボール協会もあり、将来はオリンピック競技にという声も上がっているほど。
日本でもはやり始めているかもしれませんね。