抗がん剤治療の副作用で脱毛があることは、ご存じでしょう。
女優の仁科亜季子さん(68)は、子宮頚がんや胃がんなど4つのがんを克服。自身のSNSで脱毛についてこう語っています。
「(2人の子供が)抗がん剤でわずか3日で抜け落ちたツルツルになった私の頭を撫でて『マルコメ君。一休さん!』と、励ましてくれました」
お子さんの励ましに勇気づけられたということです。脱毛は女性がクローズアップされますが、男性にも生じます。
国立がん研究センター中央病院は男性がん患者823人に「外見は仕事の評価に影響を与えると思うか」と質問。6割がそう思うと回答しています。男性の美容対策を紹介しましょう。
抗がん剤の影響で髪が抜けやすくなると、洗髪で抜け毛が指に絡まったり、ドライヤーのときに舞ったりします。抗がん剤治療を終えると、発毛しますが、元のように生えそろうまで半年以上かかることも珍しくありません。そこで、必要なのが、医療用ウィッグ(かつら)です。
オーダーメードで作ってもらった上で、理髪店や美容院などで顔の形に合わせて微調整を加えるとよりなじみやすい。装着のときは、生え際、襟足、もみあげの3カ所のなじみ具合がポイントといわれます。
実は、頭髪以上につらいのが眉の脱毛です。これについては、女性の化粧と同じように、眉毛を描くことで克服できます。最初は、抵抗があるでしょう。妻や娘、彼女などに相談して、描き方を教えてもらい、眉毛を描くための化粧品をそろえることです。
描くためには、自分の眉毛の状態を知ること。治療の前にスマホなどで顔の写真を撮っておくと参考になります。
化粧のほかにお助けアイテムがメガネです。フレームが眉毛にかかるように、太めを選ぶのがコツ。それまでコンタクトだった方も、脱毛でだてメガネを使用することがあります。イメチェンするつもりで楽しみながら前向きにやるとよいでしょう。
3つ目が爪です。抗がん剤で爪が薄く欠けやすくなる、黒ずむ、筋が入るといった副作用もあります。ちょっとした衝撃で爪が割れることも。それには、マニキュアやジェルネイルなどを塗って補強すること。この点も女性に相談すると心強いでしょう。
これらの工夫は、国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センターがガイドブック「NO HOW TO」としてA5判68ページにまとめ、HPで公表しているほか、アートネイチャーのHPにも対策が載っています。ぜひ参考に。