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【メープルシロップ】砂糖よりエネルギーが低く抗酸化物質が豊富

1日大さじ1杯程度がおすすめ
1日大さじ1杯程度がおすすめ(C)日刊ゲンダイ

 ホットケーキのシロップの定番、メープルシロップ。国旗にカエデの葉っぱがあしらわれているように、原産地はカナダが流通する70%以上を占めています。カエデの木から集められたメープルウオーターを約4分の1になるまで時間をかけて煮詰めていくとメープルシロップができます。最近、カナダでは煮詰める前のメープルウオーターも販売されていて、人気が高まっているそうです。

 メープルシロップは大きく分けて次の4つの種類に分けられていますが、2017年からグレードの等級基準が変更となり、①木に穴を開けて最初の頃に集められた樹液を使い、光の透過率75~100%のゴールデン(デリケートテイスト)②ゴールデンの次に集められた樹液で作られ光の透過率50~74.9%のアンバー(リッチテイスト)③アンバーよりも後に集められた樹液を使い光の透過率25~49.9%のダーク(ロバストテイスト)④最後に採取された樹液で作られ光の透過率0~24.9%のベリーダーク(ストロングテイスト)となっています。色が濃くなるにつれて、メープルシロップとしての香りや風味が上がってきます。

 メープルシロップに含まれる栄養価は、同じ甘味料である砂糖やハチミツなどに比べてエネルギーが低く、カルシウム、カリウム、マグネシウム、20種類以上の抗酸化物質を豊富に含んでいることがわかっています。また、さまざまな54種類ものポリフェノールが含まれ、そのポリフェノール成分が、2型糖尿病に関連する炭水化物加水分解酵素を阻害する働きをして、糖尿病予防の効果があることや、砂糖やハチミツと比較して血糖値の上昇が緩やかであるという報告もあります。

 さらには、メープルシロップが前立腺と肺のがん細胞増殖を大きく遅らせてくれる可能性があることもわかっています。前立腺だけにとどまらず、乳がんや結腸がん、脳においても同様の結果が出たことからも、抗がん作用を持つと報告されているのです。

 メープルシロップはとても魅力的な食材ですが、やはり糖分を取り過ぎてしまっては良くないのも事実です。メープルシロップの明確な適量はまだ定められていませんが、1日大さじ1杯程度にするのがおすすめです。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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