アロマテラピーはもうすっかりお馴染みですが、身にまとうことでサプリのようにストレスを解消したり、更年期の症状の軽減の効果も持つ、機能性フレグランスが注目されています。
人間の五感の中でも臭覚は最も早く脳に到達し、特に感情を左右することで知られていますが、機能性フレグランスはこの特性を強く意識して作られています。
ナチュラルなサプリやスキンケアが人気のThe Nue Co.(ザ・ヌー・カンパニー)では、3種類の機能性フレグランスを出しています。「フォレスト・ラング」は、日本の森林浴からインスピレーションを得て、フィトンチッドの香りを再現。身につけるとまるで森の中にいるような、リラックスした気分になれるというのが売り物です。
同様に「ウォーター・セラピー」は海をイメージさせる香り、また「マインド・パワー」は、セージやジュニパーなどのスパイシーな香りが神経細胞を活性化し、集中力を高める機能を謳っています。筆者は「フォレスト・ラング」と「マインド・パワー」を嗅いでみましたが、香水というより、植物に薬膳をブレンドしたような、深呼吸したくなるような新しい香りの体験でした。
他にも色々出ていて、Vyrao(ヴィレオ)の「ザ・シックス」は、レイキや気功と中国伝統医学の技術から生まれた、マインドフルネスを強く意識したフレグランス。Abel(アベル)の「ポーズ」は、更年期と香りの関係を研究により作られた、ホルモンのアンバランスによる感情の乱れを軽減する香り。
これまでフレグランスといえば、ハイエンドのブランドやセレブがデザインしたものが主流で、どちらかというと他人に対して香らせるものでした。しかしこれからはウェルネスやマインドフルネスに寄った、ナチュラルでクリーン、そして機能性を持った「自分のための」香りが、ますます注目を集めそうです。
特に若いZ世代を中心に、メンタルを中心とした日々のセルフケアは、私たちの毎日に不可欠になって来ています。機能性フレグランスのトレンドは、こうした現実とも無関係ではありません。
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