「ボディ・ポジティブ」という言葉がここ数年注目されています。
体格や体型、肌の色、性別、身体能力などに関係なく、すべての「体」を受け入れることを推進する運動です。
このムーブメントは特にファッションを中心とした消費に影響を与えています。多くのブランドがサイズの種類を増やし、広告やファッションショーに、プラスサイズのモデルが登場するのは当たり前になりつつあります。
ところがここで出てくるのが、アメリカ人の肥満の問題です。7割が太り過ぎで4割が肥満症のアメリカでは、「ボディ・ポジティブ」は、肥満を礼さんしているのではないかという批判も珍しくありません。
しかしそれに対し「ボディ・ポジティブ」推進派はこう反論しています。
自分の体型に関するネガティブなイメージは、摂食障害やうつなどのメンタルの症状を引き起こすことがわかっています。さらにソーシャルメディアやセルフィーの時代になり、その傾向はさらにエスカレートしていることも明らかです。
そんな中、「ボディ・ポジティブ」は、太っていても痩せていても体型を他人と比べるのではなく、自分そのものを愛し大切にするセルフラブであり、健康でいるためのセルフケアの一貫でもあるのです。
もう1つ「ボディ・ポジティブ」は若いZ世代の多様化とも繋がっています。彼らの半分は非白人で、さまざまな人種のルーツを持ち体型も体格もばらばら。そんな彼らは、サイズの種類が少なかったり、激痩せモデルだけを広告に使うブランドを支持しません。どんな体型でもサイズでもインクルーシブに扱われ、すべての人が「受け入れられている」と感じる「ボディ・ポジティブ社会」であることが、とても重要だからです。
日本でもここ数年ダイバーシティが叫ばれていますが、服のサイズに関してはまだまだのようです。結果的にある一定のサイズ内に皆をはめ込むことになってしまっているし、自分に合ったサイズがない人が置いていかれているのも、ちょっと残念です。
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