スイスチャード(Swiss chard)は古代から栽培されてきた野菜でカラフルな茎の見た目からも料理のアクセントとして用いられることも多いです。エジプトや古代ギリシャ、古代ローマの時代にはすでに食べられていたという記録があります。その後、中世ヨーロッパで人気のある野菜となったそうです。
スイスチャードという名前は16世紀に、スイスのボタニストである、コンラッド・ゲスナー(Conrad Gessner)が命名したことに由来しています。ただ、スイスチャードはスイスが起源ではなく、その命名に関連しているだけだそうです。特に地中海地域や地中海料理でよく使われる野菜で、イタリアやフランスなどの地中海沿岸諸国ではメジャーな食材として親しまれ、現在ではその栄養価の高さから世界中で注目されています。
日本では、北海道や青森県、新潟県などが主な産地となっていて、一般的には早春から初夏に収穫されることが多く、まさに今が旬の季節! 比較的耐寒性があり、涼しい気候下でも育ちやすいため、日本の一部地域では秋から冬にかけて栽培されることも。
そんなスイスチャードにはたくさんの栄養素が含まれています。まずはその豊富なビタミン。中でも視力の維持に役立つビタミンA、免疫システムの強化や抗酸化作用が高いビタミンC、骨の健康をサポートしてくれるビタミンKが多いのが特徴です。
また、骨や歯の形成に重要なカルシウムや、エネルギーをつくり出してくれ、神経機能に関与するマグネシウム、体内の塩分を排出して高血圧の予防に役立つカリウム、貧血予防に働く鉄も豊富に含まれているのです。さらには血糖値の上昇を緩やかにしてくれる食物繊維も多く、まさに栄養素の宝庫と言えるでしょう。
ビタミンCやビタミンKは朝に食べることで、紫外線から肌を守ってくれたり朝からしっかり活動できる体をつくってくれる役割があります。カルシウムは夜に取ることで吸収をアップしてくれますし、夜は血糖値が上がりやすいので、夕飯に食べれば高血糖が原因の不眠予防効果も期待できるでしょう。ご自身の目的に合わせて召し上がってみてはいかがでしょうか。
時間栄養学と旬の食材