アメリカZ世代に大人気のスーパーマーケット・チェーン、トレーダー・ジョーズには、ユニークなストアブランドの食品がぎっしりですが、ここで最近売り切れ続出と話題なのが「Furikake(ふりかけ)」です。
瓶にはアルファベットでFurikakeと書かれ、中身はきざみ海苔と胡麻のミックス、軽い塩味で、昆布だしも入っていると書かれています。ラベルのイラストは茶碗に山盛りのご飯にパラパラとかかったふりかけ。説明書きには「ご飯、卵、ラーメン、魚、ポップコーンなどにどうぞ」と書かれています。どうやら私たち日本人が持っている「ご飯にかけて食べるモノ」というイメージよりは、調味料として捉えられているようです。
実はこのFurikakeは、寿司やラーメンのように日本語がそのまま英語になるほど、アメリカ人の間で市民権を得つつあります。人気の秘密はまずヘルシーさ。植物性食への切り替えを強く意識する若いアメリカ人の間では、海苔をそのままヘルシースナックとして食べるほど、海藻人気が高まっています。また、第5の味覚としてやはり既に英語になったUmami(うまみ)が、海藻にはいっぱい含まれるということも知られています。さらにZ世代の食トレンドでもある、グローバル・イーツのアイテムとしても注目です。
ネットにはこのふりかけを使ったレシピもいっぱいです。アメリカ人が好きなスナックのチェックス・ミックスは、チェックスという朝食シリアルにミニプレッツェルなどを混ぜて味付けしたものですが、これにふりかけをかけるレシピがTikTokでいろいろ見られます。マッシュしたアボカドをパンに乗せる人気メニュー、アボカド・トーストにもふりかけ。あのマーサ・スチュワートのサイトには「ふりかけは20世紀初頭の日本で、カルシウムやミネラル不足を補うために発明された」という、日本人さえ知らないような歴史も書かれています。
ちなみにFurikakeの発音がわからないニューヨーカーが、「フューリー・ケイク」と呼んでいるのを聞いた、という情報も。今Z世代はふりかけで食のアドベンチャーを楽しんでいます。
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