片頭痛でも緊張型頭痛でも、急な頭痛を鎮めるのに市販薬は有効です。その市販薬ですが、どんな基準で選んでいますか?
「有名な薬だから」「好きなタレントがCMをしているから」──。そんな理由で選んでいる方もいるかもしれませんね。
しかし、市販薬購入の際に大切なのは、薬の箱に書かれている成分表示を確認することです。表示には「複合成分」もしくは「単一成分」が記載されています。
「複合成分」の薬は、複数の薬効成分をまとめてひとつの錠剤へ成形した薬で、「単一成分」は文字通り、ひとつの成分で作られた薬です。
なぜ、成分表示の確認が大切か。それは、自分の頭痛に合った薬を選びやすいからです。そのため、私はまずは「単一成分」の薬を選ぶことをおすすめしています。その成分が自分の頭痛に合うかどうかをすぐに確認できます。
「単一成分」の頭痛薬で一般的なのは、「アスピリン」「イブプロフェン」「ロキソプロフェン」です。
緊張型頭痛であれば比較的どの薬でも効果がありますが、片頭痛の方、あるいは片頭痛と緊張型頭痛が混合している方は、「アスピリン」から試すといいでしょう。血小板に作用し、片頭痛の原因である「セロトニンの異常な分泌」を抑制してくれるからです。アスピリンの片頭痛への作用は、頭痛ガイドラインにも記されています。
ただし、片頭痛では、頭痛と同時に吐き気を伴うケースが非常に多い。薬を飲んだはいいが、嘔吐してしまい、それによって薬の有効成分がしっかりと吸収されず、薬の効果を十分に得られないことがあります。
そんな場合は、吐き気など胃腸症状を和らげる成分が配合されている「複合成分」の頭痛薬に切り替えてください。成分表をチェックしてもよくわからないときは、適当に選ぶのではなく、薬剤師さんに尋ねてみるのがいいでしょう。
念頭に置いていただきたいのは、市販薬はそう頻繁に使うものではないということ、使用は多くても月2~3回以内。必ず用量をきちんと守って服用してください。
使用回数が多くなる、「頭痛がひどくて我慢できない」と用量を守らずに過剰に摂取していると、薬物の使用過多による「薬物乱用頭痛」を招く恐れがあります。複合成分の頭痛薬にはカフェインが含まれているものもあり、カフェイン自体への依存症も心配されます。
その頭痛が片頭痛であれば、市販薬では根治できません。片頭痛に効く薬は、医師が出す処方薬が主体です。頭痛を繰り返すようなら、頭痛を専門的に診る医師の下で治療を受けるのが良いでしょう。
だからあなたの頭痛は治らない