仕事をしなければいけないのに、だらだらとスマホを見続けてしまう、ネットサーフィンをしてしまう──という人は多いのではないでしょうか? こうした状況をつくらないためにも、サボらないように同僚同士で監視し合って強制力を働かせる、あるいはスマホを目の届かない場所に置くといった対処法があると思います。
一方で、ずっと作業をし続けることも難しいでしょう。人間の集中力は、そう長く続くものではありません。一度何かをやり始めたら、脳は単純なので“やる気”にエンジンがかかるのですが、常に新しい刺激を欲しがっているため、同じことばかりをやっていると集中力はどうしても落ちていくんですね。
カンタベリー大学のヘルトンとラッセルによる研究(2015年)で、モニター上に現れる楕円の位置を認識し続けてもらうテストをする際に、被験者を次の3つのグループに分けました。①約2分の休憩を取る②数字や文字といった別の課題を挟む③作業し続ける。
すると、①の休憩を取ったグループの成績が一番良く、③の作業をし続けたグループが一番悪かったという結果になりました。このように適度な休憩を挟んだ方が作業効率は上がるわけですから、無理をしてまでデスクやパソコンに向かう必要は逆効果です。
集中力が切れてネットサーフィンをしたい欲求にかられたら、たとえばコーヒーを飲むなどして、とりあえず2分程度きちんと休んでみると◎。もしくは、気分転換に別の作業に取りかかるのが賢明です。
その上で、休憩中にゲームやSNSなどをしていると、きちんと休めない可能性があるということを覚えておいてください。ゲームをすると頭を使いますから、休めているようで休めていない脳の状態になってしまうわけです。
イリノイ大学アーバナシャンペイン校のキムらが80人以上の韓国人を対象に行った調査(16年)では、休憩時間に行ったことが、昼食後、終業後にどのような影響があるかを10日間にわたって記録しています。その結果、以下の3点が判明しました。
①ぼーっとする、ストレッチをするなど「リラックス系」の活動、もしくは、同僚とのおしゃべりなどの「社交系」の休憩をする→仕事の大変さを軽減させることに役立つ。②新聞を読む、メールをチェックするなど「認知活動系」→昼食後の仕事を大変だと感じやすくなり、終業後の疲労感が高まる。
③お菓子を食べる、飲み物を飲むなど「おやつ・飲料系」の活動→基本的には無効果(ただし、カフェインの摂取は、仕事の大変さを軽減させることに役立つ)。
また、別の研究では、ランチタイムにスマホでネットサーフィンやSNSなどを利用していると、散歩したり、人と会話したりするよりも、午後に精神的な疲労を感じやすくなることが分かったといいます。
休憩するときは、瞑想したり、散歩したり、軽くストレッチしたりと、きちんと頭を休めるように。休憩とは、いったん脳みその電源をオフにするということですよ。
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