韓国の俳優イ・ソンギュンさんが公園で急死…ストレスを抱えている人は話し相手を

10月には麻薬使用疑いで警察出頭していたイ・ソンギュンさん
10月には麻薬使用疑いで警察出頭していたイ・ソンギュンさん(C)OSEN/共同通信イメージズ

 韓国の人気俳優のイ・ソンギュンさん(48歳)が亡くなった。ソウル市内の公園に停車していた車の中で意識不明の状態で発見され、その後死亡が確認されたという。車内には着火炭などが見つかっており、自殺の可能性があるという。

 イさんは2020年に米国アカデミー賞受賞の映画「パラサイト 半地下の家族」にも出演した韓国を代表する人気俳優。27日午後8時50分から、スターチャンネルで放映予定の「キングメーカー 大統領を作った男」では、打倒独裁政権を掲げて大統領を目指す国会議員を陰で支える参謀役を演じている。

 そんなイさんは違法薬物使用の疑いで警察から取り調べを受けており、韓国内で大きな話題になっていた。実際にイさんが自殺であったかどうかは現時点では不明だ。しかし、大きな悩みを抱え強いストレスを感じていたであろうことは想像に難くない。

 警察庁の発表によると2022年の自殺者総数は2万1881人。そのうち「健康問題」を動機とした自殺者数(1万2774人)が最も多かった。健康に関する何が動機だったのかデータはない。ただ、2009年の警察庁統計によると「うつ病など精神障害」による自殺者数が6949人で、この年の自殺者数3万2845人の2割強にあたっていたことから、毎年少なくとも2割以上の自殺者が、周りから見てわかるほど追い詰められた精神状態にあるということだろう。

 しかし、そんな人でも話し相手さえいれば、ぎりぎりのところで踏みとどまれるはずだ。

 実際、米国の自殺名所の橋の監視カメラを調べた報告では、飛び降りる男性の多くは最後の瞬間まで握りしめた携帯電話に何度も目をやり、寂しい太平洋側ではなく、にぎやかな町の方向に向かってダイブするという。

 厚労省は、悩みを抱えている人には、1人で悩みなどを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう、呼びかけている。

■厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口

▽いのちの電話
℡0570・783・556(午前10時~午後10時)、℡0120・783・556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)


▽こころの健康相談統一ダイヤル
℡0570・064・556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)


▽よりそいホットライン
℡0120・279・338(24時間対応)、岩手、宮城、福島各県からは℡0120・279・226(24時間対応)

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 ちなみに前出の2023年の警察庁データの月別自殺者数でみると、12月の自殺は決して多くない。多いのは男女ともに5月(男性1447人、女性727人)で、次いで男性は3月(1335人)と6月(1315人)、女性は6月(662人)と9月(647人)となっている。12月は男性(1051人)、女性(520人)と2月の男性(1028人)、女性(488人)に次ぐ低さだ。

 自殺者数を1日平均に調整した発見曜日別の自殺の状況をみても、「祝日・年末年始」は男性31.4人、女性16.6人と1週間で最も少ない日曜日の男性34人、女性17.9人よりもさらに少ない。

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