花粉症シーズン到来!「鼻ブラシ」開発者が語るメリットと注意点

使い方は簡単(StandardBrush提供)
使い方は簡単(StandardBrush提供)

 花粉症による鼻水やくしゃみ、鼻詰まりは体の免疫組織が花粉を異物と認識し、それを排除するために分泌されたアレルギー誘発物質が原因だ。治療法は薬が一般的で、その作用を抑える薬が多い。ほかにアレルゲン免疫療法といってアレルギーとなる花粉のエキスを含んだ薬を少しずつ体内に入れて慣らしていく方法などがある。

 しかし、これらはいずれも効果が出るまでに時間がかかる。花粉症で苦しむ多くの人は「いや、いますぐなんとかしたい」というのがホンネだろう。いっそ、鼻の粘膜に付着した花粉を拭い取ればいいのではないか、とは誰しも考えるところだ。

 そこで注目されているのが「鼻ブラシ」だ。一昨年の発売以来、口コミで広がり、5000本以上が売れているという。地方放送局の情報番組で取り上げられ人気となったほか、全国放送の昼のワイドショー「ゴゴスマ」(CBC、TBS系)では、医療ジャーナリストでもある森田豊医師が「花粉症でつらい人の『鼻をとって洗ってしまいたい』という要望に応えていると思う」と評価した。開発者でStandardBrush代表の岩本知高氏が言う。

「私自身がひどい花粉症で、長い間、鼻詰まりから何を食べても味がせず、仕事に集中できず困っていました。長時間はなをかんだり、鼻を生理食塩水で洗ったりしましたが劇的な症状改善は表れませんでした。ついには『鼻をとって洗いたい』との気持ちが高じて、歯ブラシを鼻に突っ込んだのです。それが鼻ブラシ開発のキッカケです。その時は鼻の内側を痛めてしまったのですが、同時に鼻が通り久しぶりに新鮮な空気を吸えたと感じたのです。それから試行錯誤の末、完成させたのが鼻腔内専用洗浄ブラシ『StandardBrush』です」

 ブラシは毛量が多いほど汚れが取りやすく肌触りがいい。通常の歯ブラシの毛量が500~1000本なのに対して、標準タイプのStandardBrushは7万本(上級タイプは2割増し)。毛の太さは0.051ミリの極上ナイロン製で毛先が丸みを帯びた形状となっている。

「使い方は簡単です。まず鼻ブラシを水かお湯に浸したうえで、鼻の中に挿入して鼻水をぬぐいます。使用後はブラシを流しっぱなしのお湯でしっかりもみ洗い。もう一度ブラシを鼻に入れて2回転させ、優しく本洗いします。ポイントは花粉などがたまりやすい、鼻の頂部にあるポケット、そのすぐ下にある上ポケット、小鼻にある下ポケットを重点的に洗浄することです。ただし、危険ですのでブラシは絶対に無理して奥まで差し込んではいけません。その後、はなをかみ、もう一度ブラシを洗ったあと、軽く仕上げ洗いをしておしまいです。使用済みの鼻ブラシは流しっぱなしの水かお湯で洗って、カビや細菌が繁殖しないようしっかり乾かしましょう。なお、鼻ブラシが洗浄する部分は毛細血管の集中する粘膜部位なので、強くこすりすぎると出血原因になったり、粘膜を傷つける恐れもあるため注意が必要です」

■ムズムズが止まり熟睡できたとの声も

 実際に60代記者も数回使ってみたが、使用後は鼻の通りが良くなった。知り合いの女性にも試してもらい、就寝前に鼻がムズムズした際に鼻ブラシしたところ、鼻が通ってぐっすり眠れたという。

 記者は使用前に「鼻毛にダメージを与えて脱毛させるのではないか」との懸念があった。鼻毛は鼻の中の湿度を保ち、花粉だけでなく細菌やウイルス、ホコリなどの異物をキャッチして外に運び出す重要な働きがある。しかし、使用期間中に鼻毛が抜けた感じはなかった。

 ただし、歯ブラシでもごくまれではあるが、使用中の転倒や乱暴な使い方によりブラシが奥に突き刺さるなどの重大事故が報告されている。鼻は口に比べて奥行きが浅いうえ、脳に接しているため、歯ブラシ以上にリスクがある。子供や高齢者、認知症の人など繊細で正確なブラシの動きを制御できない人は使ってはいけないと感じた。保管には細心の注意が必要だ。最低限、細菌やカビが繁殖せず、家人に不快感を与えない場所を確保すべきだ。

 当然だが鼻ブラシは雑貨であり、医薬品や医療機器の類いではない。したがって鼻ブラシは医学的に何らかの病気を治すものではないし、合法性や安全性なども保証されるものではない。あくまでも利用は利用者本人の自己責任において使用するもので、万一、問題が起きた場合も一切の保証はないことはいうまでもない。

 とはいえ、花粉症で仕事や勉強に集中できない、十分な睡眠ができない、食事をしても味がしない……という人は、その直前に試してみてもいいかもしれない。

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