更年期を知って夫婦円満

更年期に詳しい医師にかかれば症状がウソのように消える

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 生活に支障を来す更年期障害のような症状があって受診しても、いつまでも症状が改善されない場合は、クリニックを替えてみて下さい。

 残念ながら、婦人科の医師でも更年期症状に詳しくない医師もいます。更年期を専門とする詳しい医師の手にかかれば、起き上がるのもつらかった症状がウソのように消えてしまうことは珍しくありません。

 更年期障害が生じるほどの症状についての治療には、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、サプリメントと3種類あります。

 HRTは、減少した女性ホルモンを補充するもの。更年期障害のほとんどの症状を早く改善させることができます。ただし、乳がん、子宮体がん、血栓症などがある人は受けられません。

 漢方薬は、更年期障害のさまざまな症状を改善させます。HRTとの併用も可能で、途中で切り替えるのも可能。知人のS子さん(52)も、漢方薬から始め、閉経後、骨量が下がったので、骨量を維持できるHRTに切り替えました。

 サプリメントで注目を集めているのが、HRTに似た作用のエクオール。大豆のエストロゲンによく似た成分です。本来、大豆食品を食べると特定の腸内細菌によって腸内でエクオールが産生されます。ところが、日本人女性の半分は、その腸内細菌を持っていません。

 HRTと漢方薬などは費用の3割負担の保険適用があるので、薬価で1000~数千円(処方薬により個人差あり)。サプリメントはそれがないので、ほかの治療と比べるとやや高めで、月平均4000円前後(商品による)の費用となります。しかし、食品なので手軽に始められ、HRTが受けられない人にもできるのが利点です。

 3つの治療のほか、うつ症状が強い人には精神薬やカウンセリングなどを取り入れます。

 運動や食事の改善は大切ですが、気力が低下している時にはハードルが高いので、順番を決めず、気軽にできることから始めましょう。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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