健康長寿を願わぬ人はいない。高齢者が毎朝散歩したり、食事に気を使うのもそのためだ。だからこそ、財務大臣の暴言には腹が立つ。まるで、“国の年金制度はもう限界。あとは自己責任で2000万円貯めろ”と言っているも同然だからだ。国民が安心できる年金制度をつくるのが、政治家の仕事じゃないのか。
データを棒読みしたアホ大臣はさておき、冷静に考えれば、“夫婦で95歳まで生きる”のは、現実問題として相当難しいと言わざるを得ない。
まず、平均寿命。厚労省が昨年発表した簡易生命表によれば、男性のそれは80.09歳、同じく女性は87.26歳。「95歳」まで生きるには、平均寿命よりさらに15年近く頑張らなければならない。
もちろん、長生きする可能性はある。日本の総人口は、約1億2642万人(男性約6152万人、女性約6490万人)である。うち高齢者人口(65歳以上)は、全国に約3557万人(いずれも2018年9月15日現在)もいる。
が、90歳以上人口はその6.2%の約219万人だ。さらに、「95歳」超えとなるとググッと減る。男性は約9万人、女性は約42万人しかいない。それぞれ、男性の総人口に占める割合は0.146%、女性は0.647%。
超高齢化社会が進んでいるとはいえ、生き延びて、「95歳以上」の中に入るのは、至難の業。
むしろ、大病することもなく“平均寿命をまっとうできれば幸せ”という考え方もあるだろう。「2000万円の蓄え」なんてクソくらえ。数字を気にしてビビる方が寿命が縮みそうだ。
からだデータ