ニューヨークからお届けします。

フォロワー300万人以上!米国で医療者のSNSが人気の理由

ドクター・マイク
ドクター・マイク(本人のインスタグラム)

 アメリカでは今、医師や看護師によるインスタグラムなどのSNSが話題になっています。

「インスタグラム・ドクター」として有名になったドクター・マイクは300万人以上のフォロワーがいて、テレビなどに引っ張りだこ。看護師ではまだまだそこまでの人はいませんが、インフルエンサーとして数万人のフォロワーを持つ看護師も少なくありません。

 なぜ医師や看護師のSNSが人気なのでしょうか?

 たとえばあるモデル兼看護師の女性のインスタグラムを見ると、スクラブと呼ばれるナースのユニホームに身を包んだチャーミングな写真をメインに、同僚とのエピソードやペットとのツーショット、オフの日の食事など、身近に感じるポストが中心です。

 また別の看護師さんは、アルツハイマー病の母親との毎日をつづっています。ほかにもランチタイムのワークアウトや、ミームなど笑えるコンテンツなど日常生活に関するポストがいっぱい。

 普段は病院に行く機会が少ない若者にとって、医師や看護師というのは現実の生活ではあまり縁がない存在ですが、それを大きく変えたのがSNSといわれています。

 一方で、予防接種の重要さや自らのがん検診の体験などをポストする場合もあり、医療そのものをこれまでとはまったく違う角度で、より身近にポジティブに感じることができると歓迎されているようです。

 こうしたSNSのフォロワー自身も医療関係者や看護学生などの場合が多いそうで、長時間のハードな勤務の医療従事者が舞台裏を共有することで、お互いの力になれるメリットもあると全体的に好意的に受け止められています。

 病院側では、患者への教育のためにもっとSNSを有効に活用しようという動きも出始めています。フィラデルフィアのトーマス・ジェファーソン大学病院の医療SNS専門部署では、SNSを利用するドクターやナースに対し、一般人のなりすまし投稿を防ぐために、自分の資格をしっかりと表記するようにとアドバイスしています。

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

関連記事