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米大学の実験でHIVウイルスが消えた エイズ完治へ一歩前進

アフリカはまだま深刻な状況が続く(採血した血液を検査機器にかける準備をするスタッフ)/(C)共同通信社

 エイズの原因となるウイルス「HIV」に感染したマウスのDNAから、ウイルスを除去する実験に初めて成功したと発表され、大きな反響を呼んでいます。エイズが完治できる可能性に一歩近づいたからです。

 実験に成功したのは、テンプル大学とネブラスカ大学医学部の30人以上の研究グループで、雑誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表されました。

 それによると、まずマウスにヒトの骨髄を注射、ヒトの免疫システムと同じようにウイルスに感染するT細胞を作り出し、次にレーザー・アートと呼ばれるゆっくりと長時間作用する抗レトロウイルス剤を使いウイルスの増殖を抑えます。そして、CRISPR(クリスパー)というゲノム編集技術を使ってウイルスをDNAから除去。その結果、23匹のマウスのうち9匹でウイルスの完全除去に成功したといいます。

 同じ研究グループではすでに霊長類でも同様の実験を始めていて、向こう1年以内にはウイルスが除去できたかどうかがわかるとのこと。その結果が良ければ、米食品医薬品局の許可を得て、来年中にも遺伝子編集の臨床実験に入れるとしています。

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シェリー めぐみ

横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。

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