歌って健康になる

アモーレと明るく愛の歌を歌い続ける発声は若返りのもと

戸山英二氏
戸山英二氏(C)日刊ゲンダイ

「戸山英二イタリア式若返り音楽療法」の普及活動をしている戸山英二氏(78)は、「日本カンツォーネ協会」(事務局=東京・自由が丘)の会長でもある。

 イタリアに留学を兼ねて二十数年間滞在し、本場、カンツォーネを習得した。その間、数多くの国際音楽祭に出演し、各賞を受賞。帰国後は弟子を取り、日本にカンツォーネを広める普及活動を続けてきた。

「腹式呼吸や肺活を利用し、アモーレ、アモーレと明るく愛の歌を歌い続ける発声は、若返りのもとです。私がその生き証人。声量も昔のままだし、病気も患ったことがありません」

 こう語る戸山氏には、全国に弟子やファンがおり、毎月、京都、名古屋、大阪など都市部を訪ね、カンツォーネレッスンの教室を開いている。

 静岡県熱海市に住む寺本麗華さんも、その弟子のひとりだ。

 年齢は88歳。5年前に主人を亡くし、住まいは熱海市内の有料老人ホームである。

 毎週1回、新幹線で東京に向かい、戸山氏のレッスンを受けてきた。

 2年前、コンサート「カンツォーネ大会」で優勝した時、熱海の地元紙が、「老人ホームに入居している女性が優勝した!」と報じた。熱海の市長から「熱海の誇り」と書かれた手紙が送られてきたという。

「舞台に出る時は髪に生花を飾り、ドレスアップし、照らされたライトの前で、会場にとどろくような音声で歌う。聴衆は、まさか88歳とは思えないでしょう。これがイタリア式音楽療法の成果なのです」(戸山会長)

 今井光子さん(88)もまた「イタリア式音楽療法」を信奉しているひとりだ。東京・恵比寿に住む今井さんは、シャンソンなどを歌っていた歌手だった。その後、一転してカンツォーネに転向したのは60代になってからである。

 東京・渋谷にシャンソン歌手、戸川昌子が経営していたサロン「青い部屋」(1967~2010)で、今井さんは初めて、戸山英二氏が歌うカンツォーネを生で聴いて感動した。

 すぐに弟子入りしてレッスンを積み重ね、ここ8年間は、東京・四谷の弘済会館で年に2回、200人ほどのファンを集め、ソロコンサートを開催している。

「私も病気した記憶はありません。この年になっても、腹の底から声を出し、思い切り愛の歌を歌う。若返りますね。自分の年など忘れてしまいますよ」(今井さん)

 今井さんが戸山氏から受けているカンツォーネの個人レッスンは、週に2時間ほど。

「歌っていないと体調の保持が難しいの」

関連記事