首の椎間板ヘルニア…箸を持てなくなったら手術が適切

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 首の部分には、7個の骨(頸椎)がある。この頸椎と頸椎の間にある、クッションのような役割を果たす「椎間板」が、悪い姿勢やスポーツなどで飛び出し、神経を圧迫している状態を「頸椎椎間板ヘルニア」という。飛び出ている椎間板が「ヘルニア」だ。高齢者だけでなく、若い世代にも見られる。

 椎間板ヘルニアが神経を圧迫しているので、痛みやしびれがある。この頸椎椎間板ヘルニア、治療の基本は保存療法。首を固定させて安静に保つ「頸椎カラー」をつけたり、消炎鎮痛薬などを服用する。ほとんどの患者が、これらの治療で2週間程度で改善していることを実感し、3カ月も続ければ、痛みやしびれが消える。しかし、そうではない場合がある。

「生活に支障が出るほどの痛みやしびれです」(千葉大学医学部附属病院整形外科の古矢丈雄医師)

 具体的にはどういうものか? たとえば、痛みがひどかったり、しびれが強かったりで会社に行くこともできない。手足のマヒで「箸を持つ」「字を書く」「ボタンをはめる」など細かい動作ができない。足がしびれて歩行障害が出てくる。

「頸椎椎間板ヘルニアによる症状が生活に大きな支障を来たしているのであれば、それは手術を検討すべきタイミングです」(古矢医師)

 長く放置すると、手術を受けても元通りにならない可能性もある。古矢医師は、初発症状から3カ月経った時点で、手術をお勧めしているという。手術を受ける“適切な時期”を誤らないことだ。

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