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【枝豆】最強のおつまみだがプリン体には要注意

最強おつまみの枝豆
最強おつまみの枝豆(C)日刊ゲンダイ

 枝豆は6月が旬のはしりになります。枝豆は大豆の未成熟豆で、成熟する前に収穫した大豆が「枝豆」です。最近はブランド枝豆なども有名です。

 しかし、枝豆として収穫する品種と、大豆として収穫する品種はまったく別物で、枝豆は野菜類、大豆は豆類と農産物の分類も別です。

 枝豆に含まれるタンパク質は、体をつくるために必要不可欠なアミノ酸のバランスが理想的な良質なタンパク質源。その中にはビタミンB1、ビタミンCと共にアルコールの分解を促し、肝機能を補助する働きを持つ「メチオニン」が豊富です。メチオニンとビタミンの働きは、二日酔いの予防につながるとも報告されています。二日酔いが気になる時はおつまみにするとよいでしょう。

 また、枝豆に特徴的なのが、糖質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンB1や、脂質代謝に使われるビタミンB2などの一般的な野菜に少ない栄養素が多いこと。ビタミンAやビタミンCなど大豆に含まれていないビタミン類も多いので疲れている時におすすめです。

 さらに、体内の余分な水分や塩分を排出する働きを持つカリウムも豊富です。夕食に食べて、疲れやむくみの予防や改善に役立てるのもいいでしょう。

 そんな枝豆は茹でるのではなく、蒸した場合は水溶性ビタミンやミネラルが残りやすく、うま味が凝縮します。フライパンに少量の水を入れ、沸騰したところに塩で軽く揉んだ枝豆を入れて蓋をして弱火で5分。水を入れずに少量の油で炒めた後、同じ工程を踏むと蒸し焼きになり、さらに香ばしさが増します。

 いいことずくめの枝豆ですが、枝豆に含まれるプリン体は、100グラム当たり47.9ミリグラム。1日のプリン体の摂取量の目安は、400ミリグラムまで。あん肝やレバーが同当たり300ミリグラム近いことを考えるとそんなに数値は高くないのですが、ビールにもプリン体が含まれるうえ、アルコール自体にプリン体の数値を高めてしまう働きがあるので、食べすぎには注意しましょう。

 また、大豆アレルギーの方は口にしないように気をつけてください。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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