時間栄養学と旬の食材

スイカにはトマトの1.4倍のリコペン 朝の一切れが若返りに

スイカにはたくさんの栄養素が含まれている
スイカにはたくさんの栄養素が含まれている(C)日刊ゲンダイ

「夏の果実の王様」などと呼ばれるスイカは果肉の約95%が水分(果汁)で、このうちのたった4~6%が糖分です。甘いから太ると思われがちですが、たくさん食べ過ぎなければ問題ない糖質量ではないでしょうか。  そんなスイカの中にはたくさんの栄養素が含まれています。

 まずは、「リコペン」。トマトの回でもお話ししましたが、実はスイカにもリコペンが多く含まれ、同量比較するとトマトの1.4倍といわれています。リコペンは活性酸素を除去する力が強い抗酸化力が大きく、朝が一番体に取り込みやすいのです。動物実験で、体脂肪の燃焼を助ける効果があることもわかっています。

 また、β-カロテンから変換されるビタミンAのほかに、コラーゲン線維の合成に関与するビタミンCが含まれています。美容に良い栄養素がたくさん含まれているスイカ。日差しも強くなる今の季節、朝食時に200グラムを限度に食べてみるといいでしょう。

■スーパーアミノ酸が動脈硬化を防ぎ免疫アップ

 さらに、最近話題になってきているのが「シトルリン」という栄養素(アミノ酸)です。ほかの果実にはほとんど含まれず、「スーパーアミノ酸」などとも呼ばれています。なぜそんなに注目されているのでしょうか?

 それは主に、血管の内壁を覆う組織で作られている、一酸化窒素=NO(エヌオー)を生み出す役割があるからです。

 NOには血管を拡張し血流を促進する作用があるため、動脈硬化の抑制、免疫の向上を助けてくれます。また、スポーツ栄養分野では、体内の不要なアンモニアを取り除き、乳酸の消費を促進するためパフォーマンス向上や疲労回復などの効果が報告されています。近年では運動前にシトルリンを摂取する方が、運動後より持久力が上がるなどの時間運動学的な側面の研究も進んでいます。

 シトルリンが多く含まれるのは皮の部分。薄く切って塩もみし、浅漬けにして余すところなく食べましょう。他にも、サラダにしたり、炒め物やかき揚げ、フライなどにしてもおいしいですよ。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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