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米デューク大が14のマスクを徹底比較 NGマスクはどれだ?

ニューヨーク大学で授業再開に向け実施された新型コロナウイルス検査の様子
ニューヨーク大学で授業再開に向け実施された新型コロナウイルス検査の様子(C)ロイター

 コロナ感染者500万人、死者16万人(8月中旬)を超えるアメリカでは、いまだに国民の3割がマスクを全く、あるいはめったに着用しておらず、医療関係者は頭を抱えています。

 そこで注意喚起も兼ねて話題になっているのが、マスクは人間の鼻や口から出るコロナウイルスを含む飛沫(ひまつ)の拡散を防ぐのに効果があるだけでなく、その素材によって防止効果が異なるという調査結果です。

 デューク大学の研究チームは14の異なるマスクで実験。その中にはコロナ病棟で使用される「N95マスク」から、アメリカ人がよくマスク代わりに利用する「バンダナ」も含まれています。

 最も効果があるのは当然のごとく医療用のN95マスク。2位はやはり医療用に使われる表面がブルーのサージカル(手術用)マスクでした。続いて、ポリプロピレン素材をコットンで挟んだ3層式の布マスク、そして合成素材が2層になった布マスク。100%コットンの手作りマスクも飛沫を防ぐ効果はありますが、身に着ける人の声の大きさやヒゲの有無などで結果が異なりました。

 逆にマスクとして失格なのは、コットンのバンダナとネックゲイター(主にフリース製で首に巻いて上部を引き上げれば口と鼻も覆える防寒具)です。

 特にネックゲイターはフリース製の素材を飛沫が通過する際により細かい粒子に分解し、飛沫が飛び散りやすくなるため、むしろマスクをしない時よりも拡散が大きくなるという結果でした。

 また、これもよく見かける空気孔のバルブがついたN95マスクは、そこから飛沫を拡散させるとCDC(米疾病対策センター)から注意が呼びかけられていましたが、上に別のマスクをしてバルブを塞げば問題ないとのこと。

 南部サウスカロライナ州では、マスク着用が義務付けられた地域は、2週間で感染が4割下がったという報告もあり、医療関係者はマスクのさらなる普及に望みを託しています。

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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