時間栄養学と旬の食材

すべてのゴマに含まれている「ゴマリグナン」が酸化を防ぐ

種類による違いはあっても栄養成分はほとんど同じ
種類による違いはあっても栄養成分はほとんど同じ(C)日刊ゲンダイ

 ゴマは、発祥地であるアフリカからシルクロードを経由して、奈良時代にはもう国内で栽培されていたといわれています。ゴマ科の植物の種子で、その種類は3000以上。種皮の色の違いから、白、金、黒という3種類に分けられます。

 日本での生産量1位の白ゴマは、黒ゴマと比べると脂質が若干多くマイルド。クセがなく、幅広い料理に使うことができます。黒ゴマは、種皮の黒色に含まれるアントシアニンというポリフェノール色素が含まれます。風味が強く、料理の色合いのアクセントにもなります。金ゴマは「黄ゴマ」「茶ゴマ」などと呼ばれることもあり、白ゴマや黒ゴマと比べると脂質が高く、コクがあります。香りも高く、その分、値段も高価なので、懐石料理で使われることが多いです。

 ゴマは種類による若干の違いはあっても、栄養成分はほとんど同じです。約半分は人体で合成できないため、ぜひ食事から取っておきたいリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

 そして、どの種類のゴマにも含まれているのが「ゴマリグナン」。約1%未満しか含まれない微量な栄養素ですが、その健康効果が最近注目されています。

 人体を病原菌から守るために一定量必要な活性酸素は、過剰発生すると生活習慣病をはじめとするさまざまな病気のリスクが上がるとされています。

 過剰発生を食い止めるためには抗酸化物質の摂取が非常に有効といわれ、ゴマリグナンもそのひとつなのです。また、「セサミン」はゴマリグナンのひとつですが、血圧が高めの方が4週間、毎日大さじ2杯のゴマを摂取することで血圧が低下した報告があります。

 時間栄養学の観点からも、コレステロールを代謝したい場合は、朝にセサミンを摂取した方が効果的でした。

 一方で、中性脂肪を代謝させたい場合は、朝夕どちらの摂取でも同じように代謝できていましたので、特にコレステロール値が気になる方はぜひ、朝にゴマを取り入れてみてはいかがでしょうか。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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