時間栄養学と旬の食材

ブドウには脳機能低下の防止や集中力を高める効果がある

抗酸化作用や長寿遺伝子の活性化などの効果が

 ブドウは世界一生産量が多い果物で、種類もなんと1万もあります。皮の色によって栄養価が若干異なるのですが、大きく分けて巨峰やピオーネなどの「紫」、デラウエアなどの「赤」、シャインマスカットなどの「緑」の3種類に分けられます。

 ブドウの果実は初めすべて緑色で、熟していくうちに黒や赤の色素がつくられていきます。緑色のものは、色素がつくられないブドウです。

 紫色で粒が大きいブドウの果肉に多く含まれているのは「ペンタペプチド」で、ワインから発見されました。物忘れなどの脳機能の低下を防止する役割があり、ピオーネ約4粒、巨峰約12粒で脳機能に効果的といわれる1日に0.2ミリグラムを摂取することができます。

 また、「フランス人はチーズやバター、フォアグラなどの脂質をたくさん食べ、喫煙率も高いのに、動脈硬化、心臓病の患者や死亡率が低いのはワインを飲んでいるから」という「フレンチパラドックス」と呼ばれる考え方から、赤色ブドウの皮に含まれるポリフェノールのひとつである「レスベラトロール」が注目されています。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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