時間栄養学と旬の食材

断トツでGI値が低い落花生 夜食べると体内時計の夜型化を防ぐ

コンニャクやモヤシよりもGI値が低い
コンニャクやモヤシよりもGI値が低い(C)日刊ゲンダイ

 落花生の歴史は、明治初期に横浜で「異人豆」として販売していた落花生の種を、神奈川県西部に持ち帰り栽培したことがルーツといわれています。品種などによって呼び方の違いがあるわけではないのですが、殻がついているままのものを落花生、殻をむいた後の中身をピーナツと呼ぶことが多いようです。そんなピーナツ、太るイメージを持つ方も多いかもしれませんが実は血糖値が上昇する度合いを表す数値であるGI値(グリセミックインデックス値)が非常に低い食品のひとつなのです。

 低GI食品の中にはGI値24のコンニャクや、GI値22のモヤシなどがある中で、なんとピーナツのGI値は15! 時間栄養学では夜に低GI食品を食べることで、体内時計の夜型化を防げることがわかっています。約40グラム(20粒程度)のピーナツを取った後、数時間後にピーナツを含まない高炭水化物の食事を取ったとしても血糖値が急激に上がらないという驚きの効果も報告されているので、夕食中に食べる以上に、夕食前の間食として取ることは効果的。

 さらに、ピーナツに含まれるナイアシンは肝臓への負担を軽減し二日酔いの原因になるアセトアルデヒドの分解を助けてくれる効果もあります。アスパラギン酸は有害なアンモニアを排出してくれる働きがあるので、お酒のおつまみとしても優秀な食材といえるでしょう。

 悪玉コレステロールを抑制する働きをもつオレイン酸やリノール酸など、積極的に取りたい脂質も豊富ですし、薄皮にはがん、動脈硬化、脳梗塞などを防ぐレスベラトロールも含まれています。

 しかし、レスベラトロールは体内時計を動かす作用があるので、夜食べるとしたら取った方がいいかもしれません。余った薄皮はもったいないので細かくしてドレッシングなどの中に入れて朝食べてしまうのもいいでしょう。ごま油、味噌、マヨネーズとお好みで七味唐辛子を入れたディップなどに入れるのもお勧めです。適量は1日に20粒。多くても30粒までにとどめましょう。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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