時間栄養学と旬の食材

食後血糖値を抑え便秘改善効果も…菊芋は天然のインスリン

ショウガのような見た目の菊芋
ショウガのような見た目の菊芋(C)日刊ゲンダイ

 あまり聞きなれない名前の菊芋はショウガのような見た目で、味はごぼう、歯ごたえは梨に近い食べ物です。インディアンの食糧だったといわれ、北米に侵略した兵士が過酷な環境下で次々と体調を崩してしまう中、現地民が平然と生活しているので調べると、菊芋を食糧としていたことが分かった……などという話もあるほど栄養価に富んでいます。

 日本にも江戸末期に伝来され、最初は家畜用の飼料として、戦争の頃の食糧難には人間も食べていました。食が豊かになり口にすることもなくなってきましたが、最近の研究で栄養価の高さが認められ、健康食品などに使用されるなど注目を集めています。

 そんな菊芋に含まれる栄養素の中で着目したいのが、「イヌリン」と呼ばれる食物繊維。菊芋はイモ類にあるはずのでんぷんが含まれず、その代わりに食物繊維が豊富に含まれている特徴があります。

 また、血糖値に深く関わるとされるミネラル類も豊富。「天然のインスリン」とも呼ばれ、日本糖尿病学会などでも紹介されています。その他にも免疫機能向上や、糖質やタンパク質の代謝をアップしてくれる働きを持つビタミンB群も含まれます。

 67~85歳の高齢者30人を対象にした研究では、朝食に菊芋パウダーを摂取すると、夕食に摂取したときより便秘の改善、血糖値の上昇が抑えられるだけでなく、その後(昼・夕)の食後血糖値上昇も穏やかという結果が出ています。

 パウダーやサプリが多いですが、生の菊芋が手に入った場合、皮付きのまま生で食べるのがよいでしょう。赤い箇所、芽を取り除き、スライスして10分程度水につけてください。ただし、高温での加熱、お酢(強酸性)、長時間の水さらしによってイヌリン量が減少することも報告されているので、加熱するなら短時間で。

 十分にイヌリンを摂取したいのであれば、サラダにして朝食べるのがオススメです。

 土が付いた状態の菊芋なら、洗わずに土に埋めると長期保存できますよ。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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