秒速薬膳でアッという間に健康に

生命力を養う「黒食材」で腎をパワーアップして老化を防ぐ

若返りモズク
若返りモズク(提供写真)

 いよいよ新しい年がスタート。食の力で若々しく、パワフルな体を目指しましょう。

 老化は、中医学で「腎」と呼ばれる臓器との関わりが深いとされています。腎は人の成長や発育、生殖、老化をつかさどり全身のエネルギーをためておく臓器。まさにアンチエイジングの要です。腎が弱ると白髪が増え、耳が悪くなり、足腰が曲がって弱くなる、歯がもろくなる、物忘れが激しくなるなど老化現象が加速します。

 中医学では、男性の体は「八」を基本とするサイクルがあるとしています。「8歳周期で身体変化する」とされ、もっとも体が充実する時期は32歳。そして40歳からは髪の毛が薄くなって骨が弱くなり始め、48歳になると顔にシワが寄り白髪が増え、56歳で生殖力が欠乏……と老化が進みます。

 女性の場合は「7歳周期」です。28歳で女性としての体がもっとも充実した時期を迎え、35歳からシワができ始め、42歳でさらに老化が加速して白髪が増え、49歳で閉経し生殖能力がなくなり、さらに7の倍数ごとに衰えが加速します。

 男性8歳、女性7歳ごとの「ガックリ老化」を防ぐためには、腎を鍛える食養生を一刻も早くスタートすることが大切です。

 腎をパワーアップするためにおすすめなのは「黒食材」。薬膳の考え方のひとつである「五行説」では、体の機能と色を関係づけています。腎をつかさどる色は「黒」で、黒ゴマ、黒豆や海藻類、黒キクラゲ、黒酢、黒砂糖などの「黒食材」は、生命力や気力を養い、若々しさを保つパワーがあるのです。

 黒豆は腎の働きを高め、滋養強壮の高い食材。中国では昔から生薬としても使われているほど、アンチエイジングの強い味方です。黒ゴマも腎に働きかけ、老化によるパワー不足を補い、肌や髪の衰えを防止するのに役立ちます。昆布、ワカメ、ヒジキ、モズク、海苔などの海藻類は中国ではご長寿食材とされ、抜け毛や白髪にも効果があります。

 黒食材以外にも、腎のパワーアップにはイワシ、エビ、ウナギ、カキ、ナガイモ、ニラ、クルミ、クリといった食材がおすすめです。

 また、冬は腎の働きが低下する季節とされています。つまり、一年でもっとも老化しやすい季節ということ。

 春になったらめっきり老いぼれ……という恐ろしい「冬老け」防止のためにも、この時季は食べる「腎トレ」に努めましょう。

■老化防止薬膳レシピ


若返りモズク

 アンチエイジングにおすすめの黒食材をどっさり使った「黒薬膳」レシピ。パック入りの「黒酢モズク」は若返りの黒い守護神・モズクと黒酢の最強タッグ。さらに黒豆納豆、黒ゴマ、腎強化に役立つイワシをちりめんじゃこで取り入れれば10秒で完成! おつまみによし、納豆のタレで味を調整してゴハンにかけてもおいしいですよ。

【材料】2人分
●黒酢モズク  2パック
●黒豆納豆 2個
●黒すりゴマ  大さじ2
●ちりめんじゃこ 大さじ2
●刻みネギ(市販品) 適量

【作り方】
 黒酢モズク、黒豆納豆、黒すりゴマ、ちりめんじゃこを混ぜ合わせて刻みネギをのせる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

関連記事