空腹感なくリバウンドしにくく美しい体になる「最善の断食」

運動より楽かも
運動より楽かも

 コロナ太りがいよいよヤバくなっている人は、ファスティング(断食)に挑戦してはどうか? 筋肉量を維持しながら脂肪だけを落とせるという「坂田式オプティマム・ファスティング(最善の断食)」を提唱する薬剤師の坂田武士氏に、その方法を聞いた。

 なぜ、「筋肉量を維持しながら脂肪だけを落とす」ことが重要なのか?

「ダイエットというと、体重にばかり目が行きがちですが、たとえ体重が減っても、筋肉や水分の量が減って体脂肪がついたままでは美しい体になれず、基礎代謝(安静時の消費エネルギー)が落ちてリバウンドしやすくなります」(坂田氏)

 高齢者においては、筋肉量の減少はサルコペニア、フレイルを招く。つまり、筋力や身体機能が低下し、転倒・骨折、寝たきりのリスクが高まり、虚弱状態で健康障害を起こしやすくなる。

「人間の体の主な構成成分は水分、タンパク質、脂質の3つで、ダイエット中もこれらを適切量取ることは必要です。一方で、長年乱れた食生活を送って内臓が疲れていると、食事からの栄養素の消化→吸収→輸送→代謝→排泄の流れが滞り、脂肪や老廃物をため込む太る体質になってしまう。そこで、体が喜ぶ栄養素を取りつつ消化器官を休ませ、消化から輸送までの一連の流れをスムーズにする。これがオプティマム・ファスティングなのです」

 脂肪だけを落とせることに加え、血糖値が安定してお腹がすきにくく、リバウンドしにくいのもポイントだ。

■自作のファスティング用ドリンクで2~3日過ごす

 やり方は簡単。オプティマム・ファスティングは「準備期(1日目)」「断食期(2~3日目)」「回復期(4日目)」に分かれる。準備期は朝、昼と魚メインの和食にし、夕食はファスティング用ドリンク(囲み参照)を飲む。

 断食期はファスティング用ドリンクだけで過ごす。朝、昼、夕と1杯ずつ飲むのもよし、時間をずらして小分けに飲むのもよし。外出や出社する時などは水筒などに入れて持っていくのでもいいし、会社に材料を常備しその都度作って飲むのでもいい。イチから作っても1分もかからない。

 回復期は、通常の食事に戻していく期間。朝は生野菜や果物を、昼はおかゆを、夕はファスティング用ドリンクを。

「ファスティング中はお酒やカフェイン、たばこ、食品添加物は避けてください。また、ドリンクとは別に、常温の水を1・2リットルを目安にこまめに取ります。ファスティング用ドリンクで空腹感は生じないと思いますが、どうしてもお腹がすいたら、ファスティング用ドリンクを少しずつ飲んでもいいです」

 体重と違い、体脂肪はそう簡単に落ちないのだが、ファスティング・ダイエットをやった人の中には、わずか4日で体脂肪率が2%台落ちた人がゴロゴロいる。

 このファスティング・ダイエットは、「終わった後」も重要だ。

「ファスティングで体内をリセットしたら、その状態をキープできるように食生活を変えるのです」

 そのために、食べたもの、体重、体脂肪率、筋肉量を記録し、どう変化しているかを「見える化」。いつから太りだしたか過去を振り返り、太った原因を考える。それが複数あるならまずは1つ減らし、痩せる習慣を1つ行う。なりたい自分を具体的に思い浮かべてやると、実行しやすい。

 言うまでもなく、過度に脂肪をため込めば、生活習慣病発症につながる。大ごとに至る前に、対策を講じよう。

■オプティマム・ファスティング用ドリンクの作り方(1杯分)

 ホエイプロテイン20~25グラム、無調整豆乳300ミリリットル、砂糖不使用の米麹の甘酒100ミリリットルをシェーカーなどに入れて、蓋をしっかり閉めてよく振る。液体を先に入れてからプロテインを加えた方がムラなく混ざる。

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