時間栄養学と旬の食材

夏が食べごろのマンゴー 「葉酸」が豊富で妊婦にもおすすめ

葉酸が多く含まれる
葉酸が多く含まれる

 マンゴーはそのおいしさから、「世界3大美果」のひとつとされている他、「果物の女王」「熱帯果樹の王様」という呼び名も持つ果物です。いまはスーパーで一年中見ることができますが、国産のマンゴーの旬は夏。これからが食べごろとなります。8割は水分で構成されるマンゴーですが、たくさんの栄養素が含まれています。

 1個(200グラム)当たりのエネルギーは128キロカロリー、糖質量は31.2グラムで、バナナ1本とほぼ同量。比較的果物の中ではエネルギーや糖質量が多い方かもしれません。ドライマンゴー1袋(100グラム)になると、そのエネルギーは380キロカロリー、糖質量は90.4グラムとさらに数値がアップします。生ハムなどのタンパク質と一緒に取ると体内時計のリセット効果が高まります。

 さらに、マンゴーの中にはビタミンやミネラルも数多く含まれます。まずは葉酸です。葉酸は造血ビタミンとも呼ばれ、赤血球を作ってくれるので貧血気味の方や妊婦の方に摂取がすすめられています。また、胎児の発育にも必要となるため、妊娠中や妊娠の可能性がある方は積極的に取っていただきたい栄養素です。

 その他、コラーゲンの合成に必須なビタミンCと、老化や動脈硬化を引き起こす原因の過酸化脂質の抑制に有効なビタミンE。この2つは互いに協力して活性酸素から体を守る働きを持ちます。

 また、目の健康に関わるビタミンA、体内の余分なナトリウムを排出し、むくみに効果的なカリウム、エネルギーを作り出すもとになるビタミンB1も含まれるのです。

 ビタミンAやビタミンEは脂に溶けやすい性質があるので、オイルドレッシングを使ったサラダなどで効率的に取り入れられ、β-カロテンは、食材を細かく砕くことで細胞壁が破壊され、吸収率が上がるのでジュースで取るのもオススメ。

 マンゴーは指先で軽く押した際に少し柔らかくなっていて、独特の芳醇(ほうじゅん)な香りが強くなってきたら完熟の食べごろ。買ってからしばらくは常温の涼しい場所に置いておき、食べる2~3時間前に冷やして食べるとおいしくいただけますよ。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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