秒速薬膳でアッという間に健康に

アナゴ・ホウレンソウ・黒ごまで健康的な爪を手に入れる

アナゴとホウレンソウの黒ごま丼
アナゴとホウレンソウの黒ごま丼(提供写真)

 爪が割れやすい、二枚爪になりがち……。名刺交換の時など、意外と指先は見られているもの。できるビジネスマンを演出するなら、手元の身だしなみは重要です。薬膳で清潔感のある健やかな爪を育みましょう。

 爪は、中医学で「肝」と呼ばれる臓器と関係が深いとされています。「肝の華は爪である」といわれ、肝の状態は爪に反映されると考えます。よって、肝の働きが衰えると爪にトラブルが表れるのです。すなわち、血色がよくてシワがなく、つやのよい健康的な爪であれば肝も健康であるということ。爪は健康のバロメーターでもあるのです。

 また肝は、血を貯蔵するとともに全身の血流を調整する働きがあります。「血」の不足も、ひいては爪に悪影響を及ぼします。

 血は、中医学において全身に流れて体のすみずみにまで栄養を与える液体、と考えます。血の不足は疲れ目、不眠、うつ、薄毛、物忘れといったトラブルも引き起こします。

 そもそも、爪にトラブルが出るほど血が足りていないということは大問題! 爪に問題があるということは、前述した不調が表れる危険性が大なので、心して食養生に努めましょう。

 健康で美しい爪のためには、肝のパワーアップと血を補う食材を取り入れることが大切です。

 おすすめはアナゴ。肝の働きをサポートするとともに、造血作用も兼ね備えているという、ダブルでありがたい「ネイルケアフィッシュ」。疲労回復にも役立ちます。

 さらに血を補う食材を取り入れることも重要です。野菜では、ホウレンソウが造血効果大。貧血改善には欠かせない野菜です。

 手軽に食べるネイルケアを実践するなら、黒ごまが便利。肝の働きを高め、血を補う働きがあります。また、老化をつかさどる臓器「腎」のパワーもアップするので、加齢によってもろくなり、割れやすくなった爪の補強にも役立ちます。

 そのほか魚介類ではイカ、カキ、肉はレバー、野菜はニンジン、小松菜、果物はイチゴ、ブルーベリーがおすすめです。

 いずれも、スポーツなどで爪が折れたり、割れて変色してしまった時のスムーズな回復も促します。

 また、爪の色が黒っぽい、青紫色という場合は、血行不良も原因のひとつ。血の巡りをよくするサバやサンマ、ナス、黒豆、ラッキョウも併せて取り入れるとよいでしょう。

■爪トラブル改善薬膳レシピ

 アナゴとホウレンソウの黒ごま丼

 肝の働きをよくして、血を補うアナゴと黒ごま、そして造血野菜ホウレンソウを組み合わせた「ネイルケア丼」。ショウガ醤油で、煮アナゴの甘味がキリッと引き締まります。フレッシュなホウレンソウと黒ごまのコクで、食べ飽きないおいしさの丼です。

【材料】2人分
●煮アナゴ  1匹
●サラダホウレンソウ 1把
●黒すりごま  大さじ2
●ショウガのすりおろし  適量
●醤油  適量
●ご飯丼  2杯分

【作り方】
 丼に、食べやすく切ったホウレンソウとアナゴをのせて、ショウガのすりおろしを混ぜた醤油をかけ、黒すりごまをふる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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