時間栄養学と旬の食材

ルバーブは食物繊維が多く低エネルギー 糖尿病の人は夜に食べたい

ルバーブ
ルバーブ

 ルバーブは、フキやセロリのように大きな肉厚の葉、赤やピンクの茎、独特の強い酸味が特徴的な野菜です。野菜と言いながらも調理法がほぼ果物と一緒のため、米農務省(USDA)では果物に分類されていたりする面白い食材といえます。爽やかな香りも独特で、エルメスでもルバーブを使った香水が出ているほどです。

 海外では日常的に食べられている野菜ですが、日本ではまだなじみがなく、現在、ルバーブを栽培している農家も国内に100軒ほどだそうです。暑さや日当たりに弱く寒い土地を好むので、北ヨーロッパやイギリス、北米といった北の地域で栽培され、日本では北海道や長野で多く収穫されます。

 砂糖で茎を調理してジャム、パイ、タルトなどにして食べることがほとんどで、甘いルバーブパイはイギリスや北米の伝統的なデザートです。そのため、ルバーブを「pie plant(パイの植物)」と呼ぶことも。また乾燥した根は、日本では別名「ショクヨウダイオウ(食用大黄)」とも呼ばれ、漢方として使用されています。漢方名はダイオウとして扱われており、便秘やそれに伴う腹部の膨満感などに効果的だそうです。

 そんなルバーブは非常にエネルギーが低く、食物繊維の量が多いのが特徴です。1カ月間毎日27グラムのルバーブ(茎)を食べた場合、総コレステロールが8%減少し、LDL(悪玉)コレステロールが9%減少したという報告もあります。また抗酸化物質もとても豊富なので、細胞の老化を防いだり、ストレスを軽減するホルモンの生成や、免疫力を強化する効能も期待できるでしょう。

 総ポリフェノール量もケールより多いという報告もありますし、ルバーブの茎の赤色成分のもととなるアントシアニンも豊富に含まれます。アントシアニンには血流促進効果があると考えられており、眼精疲労を軽減したいときに効果的です。

 なるべく血糖値を上げないようにしたい夜に食べることで、寝ている間の疲労回復にも役立ちそうですね。4月下旬から徐々に収穫が始まり、加工品としての販売も多くなってきています。探してみてはいかがでしょうか。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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