時間栄養学と旬の食材

【ロブスター】にはエネルギー、酵素の生成に必要な「セレン」が豊富

欧州では6月が旬
欧州では6月が旬

 主に北アメリカ、フランスのブルターニュやノルマンディー、地中海西部が産地のロブスターはザリガニの仲間。大きなハサミが特徴で、淡水にいるザリガニと比べて海に生息している点が異なるため、味も違います。

 一般的に出回っているロブスターはアメリカ大陸沿岸で取れる大ぶりのアメリカンロブスターと、ユーラシア大陸沿岸で取れる弾力のあるヨーロピアンオマールが主流でしょう。ロブスターは英語圏の呼び方で、フランス語ではオマールと呼ばれています。オマール海老という名前の方を聞き慣れている方もいるのでは?

 近年、養殖も盛んとなり、年中食べられることが多いロブスターですが、アメリカンロブスターは年に2回、4~6月と12~1月、ヨーロピアンロブスターは6月が特に旬とされているそうです。旬の時期のロブスターは脂が乗っているうえ、身の締まりが良くおいしいと評判です。

 そんなロブスターには注目したい栄養素がたくさん! まずはロブスターに特に多いセレンです。脂質やタンパク質をエネルギーに変えたり、体内に多くの酵素を構成するのに欠かせないミネラルのひとつです。体の酸化を抑え、アンチエイジングケアに役立つともされるほか、細胞損傷の防止効果ががんの予防に効果的であることも報告されています。

 セレンはビタミンEと一緒に摂取することで、吸収しやすい形になることがわかっています。アーモンドやピーナツ、ひまわり油、オリーブ油などのビタミンEが豊富な食材と一緒に食べるのがおすすめです!

 そのほかにも、疲労回復効果が期待できるタウリンや、脳や目にダイレクトに働くことができる数少ない抗酸化物質であるアスタキサンチンも多く含まれます。さらには、食物繊維と似た働きを持つキチンも含まれていて、大腸がんの予防に効果があることも報告されているんです!

 ロブスターのエネルギーは100グラムあたり約96キロカロリー。そのうちの76キロカロリー分はタンパク質としてのエネルギーであることからも、かなり高タンパク低エネルギーであることがわかります。午前中にタンパク質を多く取る方が筋肉量をアップできることもわかっていますので、ぜひ、朝ごはんや昼ごはんにロブスターを召し上がってみてはいかがでしょうか。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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