健康長寿に役立つ高齢薬膳

【タマネギ】血液をサラサラにして「血」の巡りをアップする効果大

サンマかば焼きオニスラトースト(提供写真)
サンマかば焼きオニスラトースト(提供写真)

 最近、よく頭が締めつけられるように痛んでつらい……。とくに病気がなく、慢性的に痛む場合は緊張性頭痛の可能性があります。

 緊張性頭痛は、頭部や首周辺の筋肉が緊張して血流が悪くなることが原因で起こる頭痛です。頭を締めつけられたような鈍痛が特徴で、後頭部から首筋にかけてジワジワと痛んだり、重い石をのせたような痛み、きつい帽子をかぶったような痛みの場合もあります。午後になると悪化する傾向があり、強い首や肩のこりやめまいといった症状も見られます。

 シニアは加齢によって筋肉の働きが低下しています。また、血管の老化で血流が悪くなりがち。外出の頻度も減るため運動量が不足したり、体内の水分量が低下して血液が濃くなることも血行不良を招き、頭痛を引き起こしやすくなります。

 単なる頭痛だから仕方がないとガマンするのは、生活の質を下げる大きな原因になります。鎮痛剤の使い過ぎも体に負担がかかるもの。食養生で改善を図りましょう。

 中医学においても、緊張性頭痛は「血」の巡りが悪くなっていることで起きると考えます。慢性的な肩こり、関節痛、冷えといった症状も見られがちで、打ち身やアザができやすい、クマが現れやすい、シミが多いといった特徴もあります。

 女性の場合、婦人科系疾患も多く見られます。血が滞ると、体の末端にまで栄養が行き届かず、新陳代謝が低下して老廃物が体にたまりやすくなります。その結果、体内にしこりができやすくなるのです。頭痛ばかりか、がんなどの悪性腫瘍のリスクも高まるため、しっかりと血流をアップする食材を取り入れることが大切です。

 おすすめはタマネギ。血液をサラサラにして血の巡りをアップする効果絶大な野菜です。脂質異常症、高血圧、動脈硬化の予防などに役立ち、生活習慣病に立ち向かうためにはぜひとも取り入れたい、現代人にとってマストな食材です。

 消化を促進する作用もあるので、胃の不快感や食欲不振、お腹のハリの解消にも効果があります。そのほか、キレの悪い痰をとったり、吐き気、めまいの改善などにもおすすめです。

 タマネギの頭痛改善効果を高めるには、同じく血行を促進する働きを持つ、サンマ、サバ、イワシなどの青魚、ピーマン、ナス、ニラ、黒キクラゲなどと組み合わせるとよいでしょう。 (水曜掲載)

■タマネギ高齢薬膳レシピ

サンマかば焼きオニスラトースト

 血流アップに効果絶大なタマネギと同様の効能があるサンマを組み合わせたレシピ。サンマかば焼き缶を使えば手軽に完成します。とろけるチーズがからまったサンマとタマネギが絶妙なおいしさ。朝食にぴったりなだけでなく、おつまみにもおすすめです。

【材料】2人分

●タマネギ(小)  2分の1個
●サンマかば焼き缶  2分の1缶
●スライスチーズ  2枚
●刻み青ネギ  適量
●粉山椒  適量

【作り方】 食パンにチーズ、薄切りにしたタマネギ、一口大に切ったサンマかば焼きをのせオーブントースターで3~5分焼く。粉山椒を振り、青ネギをのせる。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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